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コンプライアンス_贈収賄・商業賄賂

腐敗リスク(贈収賄リスク)

他のコンプライアンスと同様、各国の贈収賄禁止法を考慮する必要があります。

 

外国公務員に対する贈賄禁止

外国公務員に対する贈賄禁止を定めたもので有名なものはFCPAですが、日本においても、不正競争防止法18条が同様に外国公務員に対する贈賄を禁止しています。

ただし、FCPAが注目される理由は、その適用範囲の広さと、罰則の重さです。

FCPAは、外国企業が米国に上場している場合だけでなく、贈賄行為の一部でも米国内で行われていれば違反対象となります。また、罰金は信じられない位高額です。

日本の不正競争防止法は、適用範囲は狭く、罰金も低額です。

例えば、九電工事件(2007年。九電工の従業員2名略式起訴され、50万円と20万円の罰金刑に処された。なお法人は不起訴であった)、PCI事件(2009年。PCI社には罰金7000万円が、元取締役には懲役2年執行猶予3年の判決)がある。

 

 

 

民間人への贈賄・収賄

刑事司法管轄

中国法

○刑罰および行政処分の対象(反不正当競争法第22条、第8条、刑法163条、164条)

行為または結果が中国国内で発生した場合、中国政府は刑事司法管轄を有する(中国刑法第6条1項、3項)

日本法

刑罰対象だが、不正の請託が要件(会社法967条)。なお特別背任(会社法960条1項)も適用される。

行為または結果が日本国内で発生した場合(刑法1条)

英国法

○贈賄だけでなく収賄も刑罰対象(UKBA1条、2条)

英国内で行為が行われた場合あるいは英国と深い関係がある場合(英国国民、居住者、英国法で設立された会社など)にのみ適用

米国法

(FCPA) 

×民間人への賄賂は不可罰

 

 

ホスピタリティ行事(W杯やOlympicなど)

英国:https://www.gov.uk/government/publications/bribery-act-2010-guidance

国際贈賄問題:シーメンス事件の教訓

http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/09061101.html

国連腐敗防止条約

外務省のページ:http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/shomei_6.html

国連腐敗防止条約第21 条は、条約締約国に民間部門における贈収賄を犯罪とすることを考慮するよう求めている。

 

日本法

会社法960条1項(取締役等の特別背任罪)

 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、10年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一  発起人

二  設立時取締役又は設立時監査役

三  取締役、会計参与、監査役又は執行役

四  民事保全法第五十六条 に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役又は執行役の職務を代行する者

五  第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項又は第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役又は代表執行役の職務を行うべき者

六  支配人

七  事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人

八  検査役

 

会社法第967条(取締役等の贈収賄罪)

 1. 次に掲げる者が、その職務に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金に処する。

 一 第960条第1項各号又は第2項各号に掲げる者

 二 第961条に規定する者

 三 会計監査人又は第346条第4項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者

 2. 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

 

 

株式会社の役員、会計監査人など、株主

不正な請託を受けての賄賂の受領

懲役5年、罰金500万円

仲裁人、証券会社、投資会社、証券取引所の役員や職員

 

懲役5年

破産管財人

 

懲役3年、罰金300万円

 

 

 

中国法

http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/ip/pdf/report_2011-09.pdf

http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/ip/pdf/report_2011-10.pdf

解説サイト:http://www.66law.cn/special/bzdjz/#

原文:http://www.gov.cn/banshi/2005-08/31/content_68766.htm

抄録(原文および和訳):http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/ip/law/

実例付きでかなり詳しい:http://r-bec.reitaku-u.ac.jp/report_download/doc/2014031917195848_0.pdf

中国では公務員だけでなく、民間企業の役職員に対しても贈収賄の罰則が適用される。

さらに、企業による贈賄では、贈賄の当事者個人に加えて当該企業に対しても罰則があるという両罰規定が存在します。

 

商業賄賂

KeyWord; 自由裁量 予測可能

商業賄賂の構成要件

商業賄賂の主体(経営者)

目的要件(取引機会またはその他経済的利益の提供、取得)

手段要件(財物およびその他の手段)

 

商業賄賂主体…法定基準

贈賄の主体…経営者(従業員の職務行為や代理行為の帰属者)

収賄の主体…贈賄者との間に直接の取引関係を有する対象単位(法人またはその他の経済組織)または個人(個人事業主)

贈賄者との間に直接の取引関係を有する対象単位の代表者または代理人

A社が売主でB社が買主の場合、A社はB社の総経理に賄賂を行う。

 

主体範囲の拡大…デパートが旅行会社に財物を供与する場合、旅行会社は経営者にあたる。

 

紀律監察機関(共産党内部)と行政執行機関

 

 

商業賄賂罪と贈答との境界線

商業賄賂犯罪と相互間の贈答との間の境界線をどのように区分するかについて、現在、最高人民検察院及び公安部が商業賄賂に係る相応の刑事責任追及に関する起訴基準のみを公布しましたが、行政責任の基準はまだあまり明確でなく、当局の裁量に相当程度委ねられています。

 

反不正当競争法第22 条、第8条および暫定規定第9 条

反不正当競争法の日本語

http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/ip/law/pdf/regulation/19930902.pdf

刑事罰

 

 

反不正当競争法第8 条

经营者不得采用物或者其他手段贿赂售或者购买商品。在外暗中位或者个人回扣的,以行贿论处位或者个人在外暗中收受回扣的,以受贿论处

经营售或者购买商品,可以以明示方式给对方折扣,可以人佣金。经营给对方折扣、人佣金的,必。接受折扣、佣金的经营者必

事業者は、財産またはその他の手段で贈収賄を行うことにより商品を販売または購入してはならない。帳簿に記載せずに非公然に相手組織または個人にリベートを贈ることは、贈賄行為として処断する。相手組織または個人から、帳簿に記載することなく非公然にリベートを受け取ることは、収賄行為として処断する。

事業者は商品を販売または購入する場合には、明示的方法によって相手側に値引きすることができ、仲介人コミッションを支払うことができる。事業者は、相手側に値引きをし、仲介人にコミッションを支払う場合、必ず事実どおりに記帳しなければならない。割引またはコミッションを受けた事業者は必ず事実どおりに記帳しなければならない。

改正案第9条

事業者は財産物品或いはその他の利益の贈賄手段を用いて交易の機会を得てはならない。相手組織或いは個人に対し賄賂を行った場合、贈賄行為とみなして処断する。相手組織或いは個人から賄賂を受け取った場合、収賄行為とみなして処断する。

次の状況の一つに該当する場合は、商業賄賂とみなす。

(一)財産物品或いは他の利益を提供または与え、不正により取引機会を得る行為。

(二)記帳しない割引金を相手組織或いは個人に与える行為。

(三)相手組織或いは個人が記帳しない割引金を受け取った行為。

(四)財産物品或いは他の利益を受け取って、または要求し、不正当に取引先或いは第三者のために取引機会を得た場合。

(五)前項の規定を違反したその他の商業賄賂行為。

本条において「相手組織或い個人」とは、取引先の組織或いは個人及び取引に影響を与える第三者をいう。

本条において「財産物品」とは、現金及び実物をいう。事業者が取引の機会を得るために、プロモーション費、宣伝費、スポンサー費、科学研究費、労務費、コンサルティング費、コミッションなどの名義を利用して、或いは各種の費用を清算するなどの方式によって、相手組織或いは個人に財産物品を与えること。

本条において記帳しないとは,法に基づき設立したその生産経営活動或いは行政事業上の経費収支を反映する財務帳簿で、財務会計制度の規定に基づき事実どおりに明記しないこと。財務帳簿に未記入、その他の財務帳簿に転記或いは偽帳簿の作成等を含む。事業者は取引において明示の方法で先方に割引を行うことができ、合法的経営資格を有する仲介者にコミッションを渡すことができる。事業者は先方に割引やコミッションを行う場合は必ず事実どおりに記帳しなければならない。割引やコミッションを受けた事業者は必ず事実どおりに記帳しなければならない。

 

http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/ip/law/pdf/regulation/19930902.pdf

 

商業賄賂行為の禁止に関する暫定規定

具体的に以下の行為類型が挙げられています、

帳簿に記載をしていないリベート(代金の一部返還)

契約に基づいて帳簿に記載をしていない値引き(代金差引き/返金)

帳簿に記載をしていないコミッション(仲介手数料)

現金/物品の贈与(少額の礼品を除く)

は、帳簿に適切に記載されていない点が要件となっている点に特徴があります。つまり、通常の商取引に属するリベートであっても、他の名目で帳簿に記載されている場合は、単なる会計処理上のミスに止まらず商業賄賂として処罰されるわけで、「賄賂」という言葉のイメージとはギャップを感じるところです。

 

反不正当競争法第22条

经营者采用物或者其他手段贿赂售或者购买商品,构成犯罪的,依法追究刑事任;不构成犯罪的,检查可以根据情节处以一万元以上二十万元以下的款,有法所得的,予以没收。

事業者は財産、物品或いはその他の手段を用いて賄賂行為をすることにより商品を販売しまたは購入して犯罪を構成した場合、法により刑事責任を追及する。犯罪を構成していない場合、監督検査部門は情状により、1万元以上20万元以下の科料を科することができる。違法所得がある場合、没収する。

改正案第27条

本法第9条に違反した場合、監督検査部門は違法行為の停止を命じ、違法経営額1倍以上3倍以下の科料を科することができる。違法経営額が計算できない場合、200万元以下の科料を科することができる。違法所得がある場合、違法所得を没収することができる。情状が重い場合、営業許可証を取り消すことができる。犯罪を構成した場合、法により刑事責任を追及することができる。

 

「商業賄賂とは、事業者が、商品を販売又は購入するために、財物あるいはその他の手段で、相手方単位(組織)あるいは個人に贈収賄を行う行為を指す」(暫定規定第2条)

「財物」とは、現金と物品を指し、経営者が商品を販売あるいは購入するため、販促費、宣伝費、賛助(協賛)費、研究開発費、労務費、コンサル費、コミッションなどの名目で、あるいは各種の費用の精算という方法で、相手単位(組織)あるいは個人に財物を渡すことをいい、

「その他の手段」とは国内外の各種名目の旅行や視察の費用を負担するなど財物以外の利益を提供する手段をいいます。

 

典型的な贈収賄で想起される金品の供与・収受に限らず、法令の定める要件に該当した場合には、リベートや値引き、あるいは二重帳簿の記載などが贈収賄につながるものとして認定されるおそれがあります。

 

以下の行為類型が挙げられています、

帳簿に記載をしていないリベート(代金の一部返還)

契約に基づいて帳簿に記載をしていない値引き(代金差引き/返金)

帳簿に記載をしていないコミッション(仲介手数料)

現金/物品の贈与(少額の礼品を除く)

は、帳簿に適切に記載されていない点が要件となっている点に特徴があります。つまり、通常の商取引に属するリベートであっても、他の名目で帳簿に記載されている場合は、単なる会計処理上のミスに止まらず商業賄賂として処罰されるわけで、「賄賂」という言葉のイメージとはギャップを感じるところです。

 

 

リベートは、記帳しない+非明示。

割引は、記帳する+明示する。

コミッション

仲介者に与える労務報酬

コミッションを収受する仲介者は合法的な経営資格を保有しなければならない(不動産仲介、輸出入の仲介者はOK。しかし保険代理はダメ。)

仲介サービスを確実に提供してはじめて、コミッションを収受することができる。

コミッションの提供側・受領側ともに、コミッションを明示し、かつ事実通り記帳しなければならない。

 

日常の商業賄賂の注意事項

社会的儀礼の範囲は規制ない。

過剰な贈答は贈賄に疑われる可能性がある。

 

200元を超えると国家に上納しなければならなかった(1993年)

 

贈答の背景

贈答品の価値

贈答の理由、時期、方法、収受者に対する職務上の依頼事項

収受者が職務上の便宜を利用して、供与者の利益を図ったこと

 

表敬訪問

 

代理店の犯罪は依頼者に帰属する。

代理店契約には、贈賄禁止条項、贈賄不実行保証条項。業務遂行の証拠。

 

リスクヘッジの方法

信用のある第三者的な仲介機関を利用する。

 

商業賄賂調査の実態

関係者の密告により発覚する。

財務資料の提出

 

 

 

刑法第163 条、第164 条

贈賄及び収賄行為が刑事罰(有期懲役、罰金等)の対象とされています。

 

刑法第163 条が収賄行為、第164 条が贈賄行為を規定しています。

贈賄行為は、「不正な利益を得るため、会社、企業その他の単位の職員に財物を与え、その金額が比較的大きい場合」と規定されており、これに対しては3 年以下の有期懲役又は拘留が科され、贈賄金額が巨額の場合は3 年以上10 年以下の有期懲役及び罰金が科されます。なお外国公務員への贈賄行為にも適用されます。

 

第163条【公司、企贿罪】

公司、企的工作人利用职务上的便利,索取他人物或者非法收受他人物,他人取利益,数额较大的,五年以下有期徒刑或者拘役;数巨大的,五年以上有期徒刑,可以并没收财产

公司、企的工作人经济往来中,反国家定,收受各种名的回扣、手续费个人所有的,依照前款的处罚

国有公司、企中从事公的人和国有公司、企委派到非国有公司、企从事公的人有前两款行的,依照本法第三百八十五条、第三百八十六条的定定罪处罚

会社又は企業の職員が、職務上の立場を利用して、他人の財物を要求し又は他人の財物を不法に収受して他人のために利益を図り、その金額が比較的多額な場合は、5年以下の懲役又は拘留に処する。その金額が巨額である場合は、5年以上の懲役に処し、財産の没収を併科することができる。

会社又は企業の職員が、経済活動において、国家の規定に違反して、各種の名目で割戻し金又は手数料を収受して着服した場合は、前項の規定により処罰する。

国有会社若しくは国有企業で公務に従事する職員、又は国有会社若しくは国有企業から非国有会社若しくは企業に派遣されて公務に従事する人員は、前2項の行為がある場合は、第385条又は第386条の規定により罪を確定し、処罰する。

 

第164条【公司、企贿罪】

为谋取不正当利益,予公司、企的工作人物,数额较大的,三年以下有期徒刑或者拘役;数巨大的,三年以上十年以下有期徒刑,并处罚金。

位犯前款罪的,对单位判处罚金,并其直接负责的主管人和其他直接任人,依照前款的处罚

贿人在被追前主交待行贿的,可以减轻处罚或者免除处罚

不正な利益を図るために、会社又は企業の職員に財物を供与した者は、その額が比較的多額である場合は、3年以下の懲役又は拘留に処する。その額が巨額である場合は、3年以上10年以下の懲役に処し、罰金を併科する。

組織体が前項の罪を犯した場合は、組織体に対して罰金を科するほか、その直接責任を負う主管人員及びその他の直接責任者は、前項の規定により処罰する。

贈賄者が訴追を受ける前に贈賄行為を自白した場合は、その刑を減刑し又は免除することができる。

 

 

 

金額基準

商業賄賂行為が刑事処罰の対象となるのは、金額が一定の基準に達した場合等とされており、この基準に達しない場合は行政処分が課される可能性があります。この点、刑事事件としての立件・訴追の基準に関する司法解釈(検察当局に立件を義務付けるもの)によると、公務員に関わらない民間企業同士の場合における金額基準は、以下の通りです(但し、この基準額に達しない場合でも、当局が自主的に立件・訴追できる点には注意を要します)。

【犯罪が成立する金額の基準】

贈賄者

収賄者

贈賄の立件基準

収賄の立件基準

個人

会社、企業関係者

1 万元

5 千元

組織

会社、企業関係者

20 万元

5 千元

 

 

 

商業賄賂行為の刑事責任は、収賄側が国家公務員であるか否かによって異なります。

中国の商業賄賂の処罰範囲は日本より広く、国家公務員への贈賄だけでなく、民間企業間の利益の供与、収受についても刑事処罰の対象とされます。

例えば、不正利益の取得を目的として取引相手の従業員に対して1万元(約16 万円)を贈賄したものは、非国家公務員に対する贈賄罪と認定されます。

従業員が5,000 元(約8 万円)以上の賄賂を収受した場合、非国家公務員による収賄罪と認定されます。

企業が公務員に贈賄を行った場合、商業賄賂が20 万元(約320 万円)であれば、確実に単位(組織)贈賄罪と認定されます。

上述金額はいずれも累計金額です。即ち、商業賄賂犯罪の起訴基準が相対的に低いことから、企業にリベート等の商業賄賂行為があれば、商業賄賂犯罪に該当することになってしまいます。

また、注意していただきたいのは、中国の刑法は、単位(組織)贈賄罪等単位(組織)犯罪に対して、単位(組織)に罰金を科すほか、直接担当者とその他の直接責任者に対して最高5 年の懲役を科すことができます。部長や部長以上の管理職にはほとんど日本人が就いている日本企業の場合は、いざ問題が起きれば、直接担当者とその他の直接責任者として調査を受ける可能性はないとは言い切れません。日本人の管理職が商業賄賂で刑事責任を追及された場合、その後の中国関係会社における管理職などへの就任の適格性にも悪影響をもたらすことが考えられます。注2

外資企業による商業賄賂の収受について刑事罰が科された例も存在します。報道によると、2010 年3 月29 日、オーストラリア系の鉱社R 社の上海駐在員事務所の某首席代表は、非国家公務員収賄罪等と認定され、懲役10 年、財産の没収、及び100 万人民元の罰金が申し渡されました。注3中国の特別リスクとも考えられる商業賄賂ですが、商業賄賂に関する世界的な規制として、米国FCPA (ForeignCorrupt Practices Act)、英国の贈収賄防止法も、他国においての商業賄賂をその規制対象に含んでいます。

 

その他規定

商業賄賂行為禁止に関する暫定規定:反不正当競争法の補足説明

刑法 第8章【贪污贿赂罪】(382条~396条)

第382条及び第383条の汚職罪、第385条及び第386条の収賄罪など。

起訴基準:刑法の補足説明として以下がある。

商業賄賂刑事案件の処理における法律適用の若干問題に関する意見

公安機関が管轄する刑事事件の立件訴追基準に係る規定(二)

人民検察院が直接受理し立件捜査する案件の立件基準に係る規定(試行)

 

 

GSK

匿名通報のあて先は、組織の上層部、当局、メディア。

GSKでは外国メディアへの通報から公になった。

 

撤退の場面では、従業員の会社と対立することが予測される。

車内で解決しないと公になる。

 

判決で解決するのではなく、別の場面で調整したり、和解したりする。

共産党の司法委員会。しゅうえいさんは、去年失脚したが、そのトップ。

人民警察院、裁判所を呼び、案件の

 

せいほう委員会の常務員、昔は9人、今は7人(習近平体制)。

裁判官の地位が上がってくる。

 

法治社会の流れ。

経済社会の発展。

 

税関事例

輸入価格;協議、行政処分、刑事罰は、税関がすべて権限を持つ。協議不調は行政処分に、行政処分を無視すると刑事罰になる。

 

税関とは丁寧に

会計士の考え方、弁護士、会社の経営判断の提供。

必ず弁護士意見がはいる。意見書として提示、税関まで届ける。

判断の根拠は政府に渡す。

会社の主張の中に、意見書がある、

政府は、協議を早く終了したい。自分の領域「査定」に持ち込みたい。

凍結すると従業員の給料を払えない、と主張をし、口座凍結を解除させた。

政府は世の中を壊そうと思っていない。現場の痛みを伝えることができる。

 

UKBA

UKBAは、大きく3つの罰則により構成されている。

 

贈収賄罪(1条、2条)

行為の相手方:民間人も含まれる

属地主義:英国で行為が行われた場合

属人主義:英国外で行為が行われた場合であっても、英国と深い関係がある場合(英国国民、居住者、英国法に基づいて設立された法人など)に適用

 

贈収賄罪(1条、2条)

贈収賄の相手方は公務員に限定されず、民間人も含まれる点に特徴がある。

英国で行為が行われた場合あるいは英国と深い関係がある場合(英国国民、居住者、英国法で設立された会社など)にのみ適用。

 

外国公務員贈賄罪(6条)

英国で行為が行われた場合あるいは英国と深い関係がある場合(英国国民、居住者、英国法で設立された会社など)にのみ適用。

FCPAの贈賄禁止条項に近い。

 

企業の責任(第7条)

日本企業にとってもっとも脅威となる。企業の責任規定は、

(1)関係企業(relevant commercial organization)の関係者(associated person)が、

(2)当該企業のために、ビジネスあるいはビジネスにおける便宜を獲得/維持する目的で、

(3)贈賄した場合に、適用される。

そして、

関係企業とは、

(ア)英国法に基づき設立され、英国又はその他の場所においてビジネスを行う企業等あるいは

(イ)英国において全部又は一部のビジネスを行う企業等

を指すとされており、

関係者とは、関係企業のためにサービスを行う者(職員、エージェント、子会社が該当し得る。)で、諸事情によって認定されることになる。

関係企業である限り、英国内外問わず適用されると解されていることから、日本企業であっても英国でビジネスを行っている限り、企業の責任に服することになる。極論すれば、英国でビジネスを行っている企業であれば、そのエージェントや子会社が当該企業の全く知らないところで行った贈賄行為についても本体が責任を負い得ることになるのである。この場合、唯一の抗弁は、当該企業が、その関係者が贈賄行為を行うことを防止するための適切な手続を定めていることである。なお、罰則は、(a)の贈収賄罪及び(b)の外国公務員贈賄罪については、個人は10年以下の懲役、若しくは罰金、又はその併科(正式起訴の場合)であり、その他は罰金(上限なし)(正式起訴の場合)とされており、(c)の企業の責任については罰金(上限なし)とされているため、どれほど高額な罰金が科されるのかは施行間もない現時点においては全く予見することができない。

 

 従って、英国で少しでもビジネスを行っている日本企業については、自らの行為に加えて、その子会社やエージェントの行為についても英国贈賄防止法の適用を受け得るという前提で行動する必要がある。

 

FCPA (US Foreign Corrupt Practices Act)

Guideline:http://www.justice.gov/opa/pr/2012/November/12-crm-1354.html

外国の公務員に賄賂を贈る利益供与が問題になったのは、1976年のロッキード事件です。この事件によって外国の公務員に賄賂を贈ることはいけないという気運がアメリカ国内でおこり、1977年に贈賄行為を禁止する法律(FCPA)が最初にできました。その当時、外国公務員に対する贈賄行為を禁止する法律を作った国はアメリカだけでした。他の国に規制がないとアメリカ企業の競争力が落ちるという声が上がり、アメリカはOECD諸国に対して同じような法律を作ることを求めました。

 

1.上場企業、国内企業、又はいかなる者であっても、

2.不正に、

3.外国公務員(foreign official)、外国の政党(foreign political party)、もしくは、政治職の候補者(candidate for political office)に対して、

4.当該外国公務員がその義務に反する行為をするよう影響を与える目的で、又は、取引を獲得しもしくは維持するために、

5.いかなる有価物であってもその支払をし、もしくはその申し出をするために、

6.州際通商における手段(means or instrumentality of interatate commerce)を利用すること。「州際通商における手段」とは、たとえば、州をまたがっての(米国のある州と外国との間のものを含む)、電話・テレックス・電子メール等の通信手段や電車・飛行機等の交通手段等を指す。

 

FCPAとUKBA

 

FCPA 

英国贈収賄禁止法

民間人への賄賂

有罪とはならない

有罪となる

管轄

米国領域内での行為が必要

英国内で事業の一部または全部を営む全営利団体。行為地は関係無し。

目的

   

Affirmative Defence 

製品もしくはサービスのプロモーションまたは契約の履行に関する適切かつ正当な費用(Reasonable and bona fide expenditure)である旨抗弁として主張可能

不可。訴追裁量に委ねられる。

Facilitation Payment 

 

FCPA 

英国贈収賄禁止法

   

不祥事防止のための内部統制を構築しなかったことが罪に問われる(7条)

 

贈賄行為はなくとも会計記録がないために処罰される規定(会計記録条項)がある

同様

   

英国内およびその他の管轄区域内で犯された犯罪については、当該犯罪を犯した者(法人・自然人を問わない)が、自らの居住地、設立地または市民権のいずれかを理由として英国と密接に関連している場合、英国裁判所がその裁判管轄を有する。

適用

 

英国で設立または組織された営利団体

英国で事業の全部または一部を行う団体

管轄

 

英国国民か居住者に関らず、

また行為地に関らず、裁判管轄を有する

   

英国外で設立され、また英国外に拠点を有する団体が、英国で事業の全部または一部を行っていると判断されるか否かは事案により決定され、英国裁判所が最終決定権を有する

海外子会社

   

 

英国贈収賄禁止法とFCPAの主な相違点[5]

英国贈収賄禁止法はFCPAと重なる部分も多くありますが、今あるFCPAコンプライアンスポリシーで英国贈収賄禁止法にも充分対応できると考えるのは間違いです。英国贈収賄禁止法は、多くの重要な点でFCPAとは異なります。

 

民間人への賄賂も禁止される

英国贈収賄禁止法第1条は、民間人との間の贈収賄にも適用されます。外国との商業賄賂が有罪とされることは、FCPA上禁止される行為の範囲を大きく超えています。事業者間で交わされる様々な種類の支払の多くが監視の対象となり、企業はさらなるリスクに直面することになります。なぜなら、本法第1条に定める犯罪は、第7条に基づく企業責任の根拠になり得るからです。英国贈収賄禁止法の対象となる企業にとっては、コンサルタント、代理人、その他の第三者に対する支払及びこれらの者からの受領の全てを厳密に監視すべき必要性がさらに増します。

企業に関する管轄がより広い

英国贈収賄禁止法が意図する適用範囲には、設立地がどこかにかかわらず、英国内で事業の一部又は全部を営む全ての営利団体が含まれます[6]。この条件が満たされていれば、犯罪を構成する行為又は不作為がどこでなされたかは関係ありません。FCPAにおいては、「米国の領域内」での行為が要求されていますので、少なくとも文言上は、FCPAよりも広い適用範囲となっています[7]。英国内に従業員がいる民間企業の場合、たとえその従業員が実際に贈収賄にかかわっていなくても、英国贈収賄禁止法が適用される可能性があります。

目的に関する表現が、より幅広い

英国贈収賄禁止法上、外国公務員に対する贈賄の罪を問われるのは、「取引又は取引を行う上で有利な立場を獲得又は維持する」ことを意図していた場合に限られますが[8]、この文言は、FCPAにおける目的文言よりも幅広いものとなっています[9]。そのため、英国贈収賄禁止法では、特定の取引の獲得ではなく、より一般的に有利な待遇を確保するためになされた支払(例えば納税義務の軽減や規制に関する有利な待遇を得るための支払等)であっても、適用範囲に含まれることが明確になっています。FCPAにおいては、このような支払が対象となるか否かが争われてきましたが、主要な判例は、不適切な支払いが直接又は間接的に取引の獲得又は維持に役立ったことを立証する必要があるとしています[10]。

営業活動に関する抗弁(アファーマティブ・ディフェンス)がない

FCPAにおいては、製品若しくはサービスのプロモーションに関する又は契約の履行に関する適切かつ正当な費用である旨を抗弁として主張できます[11]。英国贈収賄禁止法には、かかる抗弁の規定はありません。上院において、合法的な商業行為は許容されることを法的に明確にする用語を加える提案について検討がされましたが、却下され、個別の判断は訴追裁量に委ねられました[12]。英国贈収賄禁止法にはこのような側面があるため、企業は、旅費や交際費等の方針を見直し、会社の接待費として許容されるものとされないものとの間に明確な線引きを行うことが重要です。

「潤滑油」の例外(ファシリテイティング・ペイメントの例外)もない

また、贈収賄禁止法には、FCPAにおけるような、業務円滑化のための支払(ファシリテイティング・ペイメント)に関する例外規定はありません[13]。このため、本法の対象となる企業は、例えば税関の通過、免許若しくはビザの更新、許認可の取得、年次検査の合格などに関する現地の規制当局とのやり取りについて、改めて見直す必要があります。

 

 

米国の司法省と証券取引委員会が海外腐敗行為防止法(FCPA)ガイドラインを公表

(2012/12/12)

 

 外国公務員に賄賂を渡すことを禁じた米国の海外腐敗行為防止法が、日本企業など外国企業に対しても幅広に適用される可能性が強まっている。先月、米司法省や証券取引委員会が公表した同法のガイドラインが、同法が適用される管轄権の拡大や、現地エージェントなどの贈賄について雇い主の非米国企業の責任追及などを示唆しているからだ。山田裕樹子弁護士がガイドラインを詳しく読み解き、海外展開している日本企業に贈賄防止体制の確立を急ぐよう警鐘を鳴らす。

 

 ■はじめに

 2012年11月14日、米国の司法省(Department of Justice)と証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)は、外国公務員等に対する贈賄等を禁止した海外腐敗行為防止法(Foreign Corrupt Practices Act。以下、「FCPA」)のガイドライン(A Resource Guide to the U.S. Foreign Corrupt Practices Act。以下、「ガイドライン」)を公表した。米国司法省が、積極的に日本企業を含む米国以外の企業にFCPAを適用し、多額の制裁金を課していることは、既によく知られているところである。以下では、ガイドラインの中でも、特にFCPAの解釈部分についての記述を紹介する。

 ■管轄権(米国企業とビジネスをしたり、米国企業のエージェントとなるときは特に注意)

 ある行為について自国の刑事法を適用するか否かに関し、主として、属地主義(territorial principle)、属人主義(nationality principle)という考え方がある。属地主義とは、自国の領域内で行われた行為について自国の刑事法を適用するというもので、通常、どこの国でもこの考え方を採用していると思われる(例えば、日本の刑法1条1項は、「この法律は、日本国内において罪を犯したすべての者に適用する」と規定している)。属人主義とは、国籍保有者等、自国と密接な関係にある者が犯罪を犯した場合、その行為が自国で行われたか否かに関わらず、自国の刑事法を適用するというものである(例えば、日本の刑法3条は、「この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯した日本国民に適用する」と規定している)。

 FCPAにおいても、基本的に属地主義と属人主義(ただし、国籍保有者よりかなり広いカテゴリーの者が含まれている)が採用されているといってよいであろう。すなわち、米国で上場等している企業及びその役職員等(以下、「issuers」)、米国法により設立され又は米国に主要な事業所(principal place of business)がある企業等及びその役職員等、並びに米国籍保有者、米国居住者等(以下、「domestic concerns」)が外国公務員等に贈賄した場合、米国で行為が行われたか否かに関わらず、FCPAが適用される(属人主義)。他方、issuersとdomestic concernsでない者、すなわち、日本企業等は、通常、「others」(以下、便宜上、「非米国企業等」)に分類され、米国領域内で外国公務員等に贈賄をした場合(while in the territory of the United States)にFCPAが適用される(属地主義)。

 しかし、ガイドラインにはさらに重要なことが記載されている。すなわち、非米国企業等に分類される企業であっても、(1)「幇助、教唆」、(2)「共謀」、(3)「エージェント」の理論により、当該非米国企業等が米国領域内で外国公務員等贈賄行為に全く及んでいない場合であっても、FCPAが適用される可能性があると明言されているのである。つまり、ガイドラインでは、非米国企業等が、issuers又はdomestic concernsを幇助、教唆した場合は、当該非米国企業等が米国領域内で何ら行為を行わなくても、外国公務員等贈賄本体の罪(ただし、米国当局は本体の罪が行われたことを証明しなければならない)とは独立して、当該非米国企業等に幇助、教唆罪が成立し、かつ、基本的に米国が管轄を有すると説明されている。また、非米国企業等が、issuers又はdomestic concernsと共謀した場合、当該非米国企業等が米国領域内で何ら行為を行わなくても、当該共謀に基づき外国公務員等贈賄が共謀者により実行されることが合理的に予測でき、かつ、それが実行された場合には、外国公務員等贈賄本体の罪が、外国公務員等贈賄に向けた何らかの意思発現行為(overt act)が行われた場合には、共謀罪が、当該非米国企業等にそれぞれ成立し、かつ、基本的に米国が管轄を有すると説明されている。さらに、非米国企業等が、issuers又はdomestic concernsのエージェントとして行動している場合には、当該非米国企業等が米国領域内で何ら行為を行わなくても、issuers又はdomestic concernsのエージェントとして行われた行為につき、米国が管轄を有すると説明されている。

 よって、日本企業であっても、例えば、issuersやdomestic concernsである米国企業とジョイントベンチャーを行い、米国企業と一緒に米国以外の国で外国公務員等贈賄行為に及んだ場合には、「幇助、教唆」、「共謀」、「エージェント」の理論により、日本企業にもFCPAが適用される可能性があるので、特に注意が必要である。

 ■正当な接待・贈答と贈賄の線引

 FCPAには、贈賄として提供される金銭や物等が一定の金額以下である場合には免責する旨の規定は存在しない。ガイドラインでは、正当な接待・贈答と贈賄の線引は、外国公務員等に不正に影響を与える意図、すなわち、「腐敗の意図(corrupt intent)」の有無であるとされている。腐敗の意図を認めるのが難しいとして例に挙げられているのは、ささやかな価値のもの、例えば、コーヒー代、タクシー代、企業のプロモーションに使われる物で価値がわずかなもの(ボールペン、ロゴ入りの帽子等)、合理的な範囲での食事や接待の提供である。

 このように、社交儀礼としての接待、贈答がFCPA上全く禁止されているわけではない。ガイドラインによれば、正当な贈答とは、例えば、敬意を払う目的でなされ、オープンに、透明性をもって行われ、会計帳簿にも正確に記録され、贈答が行われる現地法でも許容されているものをいうとされている。反対に、多額の現金はもとより、スポーツカーや毛皮などの高級品の提供、正当な理由がない旅費の負担、外国公務員等の親族や友人への贈答は腐敗の意図が認められやすいとされている。ガイドラインでは、接待、贈答が贈賄にならないようにするために、企業は、明確でアクセスが容易な社内ガイドラインを作成すべきであるとし、例として、大企業の多くは、明確な金額の基準(1回分のみならず、年間の合計金額を含む)を定め、例外は適切なレベルのmanagementによって決裁される方式を定めているとしている。日本でもこのような社内ガイドラインを有する企業が増えてきているが、「社会的に相当な範囲」という決裁基準もまだまだ用いられていると考えられる。後者の基準が直ちに問題があるというわけではないが、大企業であればあるほど、多数の役職員によって「社会的に相当な範囲」が解釈されることに鑑みると、明確な金額基準を設ける方がより慎重なアプローチといえよう。

 ■公的企業と「外国公務員等」

 日本の不正競争防止法18条2項3号及びその関連政令では、公的企業の役職員がどのような場合に外国公務員等に該当するか明確に定められている。他方、FCPAでは、”instrumentality of a Foreign Government “の役職員が外国公務員等に該当するとされているが、どのような企業が”instrumentality”といえるのか、明確に規定されていない。この点、ガイドラインでは、”instrumentality”には、”state-owned or state-controlled entities”(以下、便宜上、「公的企業」)が含まれるとしつつも、どのような企業が “instrumentality”といえるかは、個別の事実の分析によるとして、従来の司法省の見解を維持している。もっとも、外国政府による企業のオーナーシップやコントロールの程度、当該企業の設立の経緯や活動の内容、外国法の下、どのような義務や特権が当該企業に与えられているか等、数項目をあげ、これらの視点で当該企業が”instrumentality”に該当するか否かを分析すべきとされている。また、企業の過半数の株式を所有ないしコントロールしていなければ、”instrumentality”とは言い難いが、過半数の株式を所有ないしコントロールしていなくても、外国政府が企業の主要な支出や業務決定を拒否する権限を持っていたり、多数の役員が政府から任命されている場合には、 “instrumentality”の該当性を認めた事例もあるとしている。

 よって、外国政府が過半数の株式を保有している場合には、当該企業は”instrumentality”に該当すると考えた方がよいし、そうでなくても、当該企業の実態、すなわち、外国政府による役員の任命の有無や、外国政府の当該企業の業務に対する関与の程度等を総合的に考えて、保守的に”instrumentality”の該当性を判断した方がよいといえよう。

 ■第三者への支払

 FCPAでは、財物の全部ないし一部が外国公務員等へ提供等されることを知って(while knowing)、当該財物を第三者(any person)に提供等してはならないとされている。外国公務員等贈賄に対する取締りが極めて厳しくなっている中で、日本企業自らが贈賄を行うということは少ないと考えられる。しかし、例えば、新興国でビジネスを行うに際し、現地のエージェントやコンサルタントに情報収集や現地公務員との交渉を依頼することはままあると思われるが、例えば、ある企業がエージェントに対して報酬を支払い、その一部が公務員に贈賄された場合、当該企業が、エージェントが贈賄することを「知って」報酬を支払っていた場合には、当該企業に外国公務員等贈賄の罪が成立する。この場合注意しなければならないのは、「知って」とは、外国公務員等への贈賄がなされ得るような事象があるにも関わらず、あえて、確認を怠った場合にも、当該贈賄がなされることを「知って」いたと解される可能性があることである。ガイドラインでは、レッドフラッグの事象として、第三者(エージェントやコンサルト等)への過剰な支払、第三者であるディストリビューターへの不合理に過大な割引、サービス提供内容が抽象的な第三者とのコンサルティング・アグリーメントの締結、第三者が外国公務員等と密接な関係にあること等を挙げている。うさんくさいけど、「知って」しまうのも怖いので第三者に任せておく、という時代は去ったといえよう。

 ■ファシリテーション・ペイメント

 FCPAは、外国公務員等による日常的な政府の活動(routine governmental action)の実行を促進し(expedite)、あるいは確保する(secure)ために提供されたfacilitating or expediting payment(以下、便宜上、「ファシリテーション・ペイメント」)には、適用されない。もっとも、日常的な政府の活動には、裁量を伴うものは含まれないとし、また、金額の高低よりも「腐敗の意図」があるかが、ファシリテーション・ペイメントとして許される支払か否を判断するにあたってフォーカスされるという。

 この点、1997年11月に採択されたOECD外国公務員贈賄防止条約のコメンタリー9では、少額のファシリテーション・ペイメントは、営業上の不正な利益を得るためになされたとは解されず、犯罪とはならないとして、ファシリテーション・ペイメントの例外を認めた。しかし、近時はファシリテーション・ペイメントに対する批判は強く、英国のSerious Fraud Officeは、Bribery Act 2010においてはファシリテーション・ペイメントは違法であると明言しているし、日本の経済産業省も、「外国公務員贈賄防止指針」の中で、「少額のFacilitation Paymentsであるということを理由としては(筆者注:不正競争防止法上の)処罰を免れることはできない」と明言している。また、OECDですら、2009年に、ファシリテーション・ペイメントを禁止ないし思いとどまらせるよう、国は企業に奨励すべき旨の勧告がなされている。

 このようにファシリテーション・ペイメントであっても違法であるとされる可能性は高くなっているが、まだまだ「ファシリテーション・ペイメントは許される」と考えている役職員が多いのが実情であるといえる。しかも、よく聞いてみると、とても「少額」とはいえなかったり、外国公務員等の裁量に正面から働きかけたりしているものもあるので、ファシリテーション・ペイメントだから大丈夫と思うのではなく、むしろ注意をもって事実関係を確認することが肝要である。

 なお、外国公務員等側から金銭等の支払を要求されたことは、犯罪不成立の理由とはならない。ガイドラインでは、支払をしなければ物理的に危害が加えられるとの状況の下での支払は、「腐敗の意図」等が認められず、犯罪が成立しないとされているが、他方、例えば、外国公務員等から、支払をしなければ市場への参加を認めないと言われるような、単なる経済上の強要(economic coercion)があったとしても、これはFCPA上の外国公務員等贈賄罪の成立を妨げないとされている。

 

 

 ■親会社の責任

 

 ガイドラインでは、子会社が外国公務員等贈賄を行った場合の親会社の責任についても論じられている。まず、親会社の役職員が、子会社に贈賄を指示した場合や、贈賄行為に自ら参加した場合は、親会社の責任が生じる。また、エージェンシー理論(agency principles)により、親会社が責任を負うことがあるとされる。エージェンシー理論の中核は、コントロールであり、結局、親会社の認識や子会社への指示に鑑みて、子会社が親会社のエージェントと認められるような場合には、親会社も責任を負う。この他、ガイドラインには、合併した場合の承継会社(successor company)の責任についても言及している。ガイドラインを読むと、しっかりと合併前にデューデリジェンスを行い、贈賄が発覚した場合には司法省や証券取引委員会に開示して協力し、贈賄を辞めさせ、贈賄を再度しないようなコンプライアンス体制を確立することが肝要であることが分かる。

 

 

 

 

ブラジル

2014年1月29日、ブラジル企業腐敗防止法(Brazilian Clean Companies Act、以下「CCA」という。)が施行される。CCAは、世界の潮流に乗り、正面から腐敗に取り組むブラジル政府の確固たる意思を象徴する、積極的かつ広範囲に起草された制定法である。ブラジルは多くの英国企業にとって重要な取引先であり、その逆も同様である[1]。ブラジルでビジネスを行う企業は、CCAに留意し、企業の既存のコンプライアンス態勢と手続を同法に特有の内容に適切に対応させるよう確実を期すべきである。吉報といえば、CCAが既に確立した腐敗防止に関する法制、すなわち米国の海外腐敗行為防止法(Foreign Corrupt Practices Act、以下「FCPA」という。)及び英国の贈収賄禁止法(Bribery Act、以下「UKBA」という。)と一部共通した特徴を有することである。

 

2014年1月のCCA施行は、国際企業の既存のコンプライアンス手続が日々進化する国際基準に合致していることを見直すためのタイムリーな警告ともなる。

 

主な特徴

 

CCAの主な特徴は、当事務所の2013年8月6日付クライアント・アラート[2]に網羅されているが、CCAを要約すると、次のようになる。

 

国内外を問わず、ブラジルで事業を行うあらゆる法主体、支店又は事業所に適用される。

(ブラジル国内外の)公務員に対する贈賄を禁止する。これは、政府内のいかなる職位の官職を有する個人にも及ぶものと思われる。

詐欺、情報操作、行政当局の調査の妨害など他の関連性のある行為も禁じる。

便宜供与の確保を目的とする金銭の支払いを禁じる。FCPAのような、基準を下回る金額についての例外規定(de minimis exception)は存在しない。

不正行為に関与した法主体に対し厳格責任を負わせる。法主体に制裁を受けさせるためには、処罰の対象となる行為が当該法主体側の作為又は不作為によって惹起されたことが立証されれば十分とされる。

法主体の収入及び資産に直接適用される、厳しい行政上及び民事上の制裁を盛り込む[3]。

CCAの広い適用範囲は、明らかにFCPA及びUKBAの国際的な適用範囲と足並みを揃えたものである。CCAはブラジルで事業を行うすべての法主体に適用され、ブラジル及び海外における違反行為にも法的責任を課している。CCAの公務員への着目はFCPAを想起させる一方で、便宜供与の確保を目的とする金銭の支払い及び法主体に対する厳格責任はUKBAのよく知られた特徴でもある。CCAに基づく制裁が過酷であるという可能性はあるが、CCAとFCPA及びUKBAとの間の重要な相違はCCAが贈賄行為について刑事責任を課さない点にある。

 

厳格責任

 

UKBAと異なり、企業は、その関係者が贈賄行為を行うことを防止するために「適切な手続」を整備したことを証明することによってもCCAに基づく法的責任を回避することはできない。CCAは「適切な手続」の抗弁を認めていない。CCAに基づく法人についての厳格責任に対する抗弁となりうるのは次の点のみである。すなわち、金銭の支払が合法的であったこと、又は当該金銭の支払が業務の対価とは関係がなかったことであって、制裁を回避するために企業はこれを立証しなければならない。なお、CCAはブラジル当局への協力に基づく罰金の軽減措置及び「実効性のある」企業内コンプライアンス手続は定めているが、企業内コンプライアンス手続の評価基準はまだ確立されていない。もっとも、FCPAやUKBAに対応した確固たるコンプライアンス・ポリシーを有する企業であれば、今後追加される要件にも十分対応できる態勢になっているものと思われる。

 

エンフォースメント - 近年の事例及び今後焦点となる分野

 

CCAに遡及効はなく、2014年1月29日以降の行為にのみ適用される。但し、ブラジル当局が個人を訴追するために適用できる法律は他にある。2013年中の展開はブラジルの国民感情に応えるとともに、腐敗行為防止に係るエンフォースメントへの取組みを強化していることをはっきりと示している。

 

 

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