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リスク管理

一般的に、リスク管理と言えば地震災害などに見られるように、「被害が発生した時、いかにその被害を小さくするか」「いかに事態を収束するか」という点に目が向けられがちですが、リスク管理において重要なことは、事故・事件が発生する前に“リスクを回避・除去する”ことです。そして、次善の策として、リスク回避・除去できずに事故・事件が発生してしまった場合に、“以下にその損失を軽減し、被害の拡大を防止、被害の回復を図るか”を考える必要があります。

リスク管理は、通常つぎに示す3つの行動によって実施されると言われています。

①リスクの発見・確認および分析・評価
②リスクの未然防止
③損失の軽減・拡大防止・回復

(1)リスクの発見・確認および分析・評価
リスク管理はまずリスク、つまり「損害を引き起こす可能性を秘めた危険性・危険な状態」を企業内における諸活動の中から発見、確認することから始め、そのリスクを分析・評価することによって行われます。

一般的にリスクには「顕在化しているリスク」「潜在化しているリスク」「新しいリスク」があると言われています。
日常業務の中で表面にあらわれて、認識されている「顕在化リスク」については、日常の業務執行における対応の中でリスクが発見・認識され、それに対応するノウ・ハウも蓄積・確立されているでしょう。
しかし、表面にあらわれず経験したことの無いような「潜在化リスクは、誰にも予想できない危険度の高いものです。予想できないからと言って何も対策を練らず、それが爆発するのを待っていると、リスクが発覚した時にはすでに企業の根幹を揺るがすまでに大きくなっている可能性があります。

全てにおいて変化・進歩の激しい現代社会に合って、法規制、人間の価値観、社会通念、政治・経済状態、製造・生産方法の進歩、科学・技術水準の向上などの変化なら新しく発生してくるリスクがあります。このような『新しいリスク』は、リスクそれ自体が時代の変化、その要請を受けて変化・変貌したり、新しく発生したりするのものです。そこで、このような変化の中で常に新しい情報を収集し、それらを分析・把握することによってはじめて将来に向かっての異形活動におけるリスクの予防・回避が可能となります。

企業活動において、問題が起こってからの対応ではその損失が大きい事は明らかでしょう。全社的規模での「リスクマネジメント・プロジェクト」を編成し、とくに全社的な立場・視点から、社内に顕在・潜在化しているすべての「リスク項目」を研究・開発、生産、営業、人事、財務、環境、製造物責任、情報管理、経営全般のそれぞれについて洗い出してみる事をおすすめします。以下にチェックすべき内容の例を挙げてみましょう。

①リスク項目・リスクの内容
②リスクの発生頻度
③ダメージの大きさ
④リスク管理の現状
 ・直接関与部門
 ・チェックサポート部門
 ・マニュアル・ルール類
 ・対応
⑤予測されるダメージ
⑥ダメージ発生時の事後対処
⑦今後の対応・問題提起

『リスクの未然防止』

リスク管理において最も重要なことは「企業経営にとって何がリスクであるかを発見・確認する」とともに、「リスクを除去・回避するための対策を講じる事によって、リスクを未然に防止する」ことです。法律的に言えば「予防法務」に相当することでしょう。
そして、このリスクの未然防止のためには、計画的に予防対策を講じるとともに、その予防対策を当該関係部門および全社内の隅々まで周知徹底させることが重要です。
リスクを未然に防止するためには「損失を引き起こす可能性を秘めた危険性・危険な状態」を究明し、それらの「危険性・危険な状態」に対する予防対策を講じ、実行することにより実施されます。

しかしながら企業内の、また企業外からのリスクは多種多様であり、しかも企業内でのリスクは多くの部門に散在しているので、それらのすべてのリスク予防に万全を期するようリスク予防対策を講じるのは至難の業でしょう。
すべてを網羅することは難しいため、まずは一般的に考えられる予防対策について、ソフト面・ハード面から考えてみましょう。

<ソフト面>
・企業を取り巻く様々な法令、規則なども含め、これらを遵守すると言う企業倫理を社内に醸成しておく
・社内体制の確立、つまり各部門でのリスク対応のマニュアル、基準書類を作成するとともに、リスクに対して迅速かつ的確に対応できるような組織体制を確立しておく
・日頃より、社員同士のコミュニケーションを良くし、情報を共有化するとともに、上位者への報告が円滑、迅速になされるような連絡体制を確立する
・業務実施部門が最終自己責任を負うと言う原則を徹底させる
・リスクを防止するためには、企業内のすべての人、つまりトップを含めた全社員一人ひとりの意識が重要であり、そのためにも日頃の情報提供、教育・訓練・研修を実施する

<ハード面>
・防災管理上、自身に備えて社内の構造物の強度チェック、補修などを常時行い、発生時の社内対応組織体制を確立する
・機械・設備の安全かを図る
・老朽化した機械・設備の補修、取り換えを行う
・コンピューターシステムの保全、安全かを図る
・放射線設備の安全化を図る
・危険物の貯蔵の安全化を図る
・バイオハザード制御設備の管理、安全化を図る

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