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リーガルリスクマネジメント -民事・刑事・行政

“予防法額としての経営法学”の指導理念から見た時、リーガルリスク・マネジメントとは企業経営において発生すると考えられます。次の三つの責任の発生可能性を予見し、その発生可能なリーガルリスクを分析・評価し、その予防・抑制をすることで損失・責任を回避する事になります。

・民事責任(損害賠償責任)
・刑事責任
・行政責任

この民事上のリスク責任を「民事上のリーガルリスク」、刑事責任上のリスクを「刑事上のリーガルリスク」、そして、行政責任上のリスクを「行政上のリーガルリスク」と称することが出来ます。

これらに分類したリーガルリスクを、企業の経営基盤の三大要素である「人・物・金」に分類し、その問題点を考えていきましょう。

(1)民事上のリーガルリスク
民事上のリーガルリスクは、次の二つの大別することが出来ます。

“第一に、債務不履行による損害賠償責任、債務者が契約の本旨に反して契約違反して相手方に損害を与えた場合には、その相手方に損害を賠償しなければならない(民法四一五条)。”

“この損害賠償は、別段の意思表示の無い場合には金銭による(民法四一七条)。”

“第二に、違反行為による損害賠償責任、故意過失によって相手方の権利を侵害した場合には、相手方の損害を賠償しなければならない(民法七○九条以下)。”

この責任は、故意・過失を成立要件としていて、これを「過失責任」と称します。損害賠償を請求する側に、相手方の故意・過失を立証しなければなりません。これを「挙証責任」「立証責任」と言います。

民法では、この挙証責任の転換を図っている制度を定めています。土地工作物の占有者や所有者の責任(民法七一七条)がその制度にあたります。つまり、鶏の工作物の設置の瑕疵によって他人に損害を与えた工作物の占有者は、その責任を免れるためには無過失を立証しなければならない、というものです。

近年、時代の進展とともに交通事故や製造物責任(PL責任)などに無過失責任立法が行われています。この無過失責任の拡大かは企業のリーガルリスクの拡大化に発展します。加えて、損害賠償額の拡大を招く傾向にあります。
刑事上のリーガルリスクは多岐にわたります。

第一に、商法上の刑事責任は、取締役に限定しても次の責任が発生します。

・特別背任罪(商法四八六、四八七、四八八条)
・会社財産を危なくする罪(商法四九八条)
・不実文書行使罪(商法四九○条)
・預合い罪(用法四九一条)
・会社荒らしなどに対する増収賄賂罪(商法四九四条)
・利益供与罪(商法四九七条)

第二に、刑法上の刑事責任は、企業経営上、次の罪が問題となります。

・秘密を侵す罪(刑法一三三~一三五条)
・文書偽造の罪(刑法一五四~一六一条のニ)
・有価証券偽造の罪(刑法一六ニ~一七一条)
・偽証の罪(刑法一六九~一七一条)
・脅迫の罪(刑法二二二・二二三条)
・名誉に対する罪(刑法二三三~二三四条の二)
・詐欺および恐喝の罪(刑法二四六~二五一条)
・横領の罪(刑法二五二~二五五条)

第三に、特別法上の刑事責任です。その主なものの一部として、次のものがあります。

・証券取引法違反に伴う刑事責任(証取一九七条以下)
・独占禁止法違反に伴う刑事責任(独禁八九条以下)
・労働基準法違反に伴う刑事責任(労基一一七条以下)
・特許法違反に伴う刑事責任(特許一九六条以下)
・法人税法違反に伴う刑事責任(法税一五九条以下)

(3)行政上のリーガルリスク

企業経営に係わる行政法規は多く、その実態は複雑です。行政法上のリーガルリスクは次の二つに代別鵜出来ます。

・行政強制
行政上の強制執行及び即時共生の総称です。「強制執行」としては、行政上の義務不履行がある場合に行政官庁がその義務の履行を強制することです。「即時強制」は、立ち入り検査・臨時検査や使用制限して行政違反状態を強制的に除去する行政処分です。

・行政処罰
行政法上の法令違反に対して過料を科す一種の刑罰です。

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