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企業の国際活動に伴うリスク・マネジメント

経営や企業活動がグローバルに展開されている現代において、法令・倫理行動を遵守していくことは、企業活動の舞台が国内かあるいは海外かによって大きく異なる事はないでしょう。
しかしながら、企業の国際活動に関連し国内活動には見られない、またはそのインパクトが一層大きくなる法律上の問題が存在しています。一言で言えば、“企業の国際化は、国際的なルールに従う事を言う”と言えます。

企業の国際活動に伴う法律上の問題点、つまり国際的な取引での談合、カルテルなどの競争制限的な動きや受注競争に勝つためとの名目でなされる賄賂行為などの法令違反行為にスポットライトを当て、企業が留意すべき倫理行動または法令順守の様々な問題点を検討してみましょう。

『独禁法/競争法関連対応のリスク・マネジメント』

輸出の拡大とともに、米国・欧州を中心とする世界市場でライバル企業との接触の機会は増加しています。そして、日本企業の海外子会社が、現地で地元企業との様々な接触や連携を行う事は避けられなくなってきています。
世界各国は、国内外の企業活動について独占禁止法制に基づき、談合・カルテルなどの監視を強化しています。特に、米国は厳しい国内法制の城外適用を行っています。

このような状況下で、日本企業も企業法務の視点により、各国の国連法制を検討し、対策を立てる必要があります。特に米国および欧州(EU)の法制の検討と対策の確立は極めて重要と言えます。
以下に問題点と対策を説明していきます。

(1)独禁法/競争法上の問題点
企業の国際的な活動上、元も問題となるポイントは、垂直的な取引としては代理店など海外での営業網の管理に関する問題であり、水平的な取引関係ではカルテル、入札談合などの競争業者との接触から生じる問題です。
①代理店などの販売業者に対する問題
・再販売価格の維持
販売業者にその販売価格を支持し、その順守を要求すること。
・並行輸入の阻害や輸出の制限
代理店などの販売業者に特定地域のはんばい権を付与する条件として並行輸入を禁止したり、他の販売業者の地域に輸出しないよう強要する行為。
・理由の無いと位引きの拒絶
特に一旦販売権を付与した業者との契約を終了させたい場合、意図的に製品の供給を控えたり遅らせて事実上の契約終了に追い込んでいくケースが典型的。
・抱き合わせ販売の強制
販売業者に売れ筋でない製品とよく売れる製品をパッケージでなければ売ってはいけないと指導したり、パッケージで売る場合に一定の便益を付与する行為。
②競争業者間での連携に絡む問題
業者間の談合による価格固定、市場分割、入札の法制などのカルテル行為。
③その他、製品の市場での支配的地位を利用する独占の濫用。

(2)企業法務の立場から対策
上記(1)のような行為は、国際的な取引でも当然違法として罰せられるわけですが、企業としてこれらを未然に防止することは、危機管理の立場からも重要だと言えます。国際企業法務部門は、そのための対策、具体的には独禁法/競争法遵守のプログラムを作成し、従業員に周知させるための教育を行う事によって法令順守活動をフォローすることが需要となってきています。

遵守プログラムの概要は、通常以下の事項から構成されています。EU競争法についての遵守プログラムを例に、以下の項目をサンプルとして説明しましょう。
①EU競争法とは?
適用される対象の法令について概要を説明します。
②遵守しなければならない理由
当該法令に違反した場合の処置を説明し、法令順守は企業のポリシーであることを宣言します。ここでのポイントは、直接EUでの事業に関係していなくても、EU競争法の適用がありうる点を説明し、同法の順守を徹底する必要があります。
③遵守プログラムの具体的内容
同プログラムの構成-教育、監査、契約締結時の審査、疑わしい場合の処置、懲戒、年次報告、適用などにより構成されています。
同プログラムは、事業を管轄する責任者に報告される体制となっています。
④法的監査と審査についての説明
車内の遵守手続きとして、法務部門による監査および具体的な案件についての審査のやり方について説明します。
⑤違反の告知と罰則
遵守プログラムに違反した場合の処置について説明します。

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