企業経営上のリーガルリスクは、企業経営の意思決定に内在する多種多様な「リスク」の一部です。「リスク」とは、一般に危害または損失の生ずる恐れのある事と捉えられています。企業経営上の危害または損失は多種多様でしょう。
商法上、危険といえる時、例えば損害保険では保険事故の事を一般に危険と呼びますが、危険の増加変更など抽象的または具体的な事故発生の可能性を意味する事を指します。言うまでもなく、経営法学上の危険(リスク)とは、商法上のそれと比較して広義になります。また、リーガルリスク・マネジメントで言うリスクともその範囲を異にします。
企業経営における「リーガルリスク」については、鞨鼓たる定義は存在していません。一つの仮定として、企業経営において発生する損害賠償や債務不履行などの民事責任、刑事責任及び行政責任を負う危険、を指すと定義できるでしょう。
企業経営上の「リーガルリスク・マネジメント」とは、企業経営において発生する損害賠償や債務不履行などの民事責任並びに刑事責任及び行政責任の発生可能性を予見し、その発生可能なリーガルリスクを分析・評価し、その予防・抑制し、損失・責任を回避もしくは軽減を図る事と定義できます。