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契約の成立 代理人による締結

代理人による契約は、代理人が本人から代理権を得てその代理権の範囲内で契約をし、かつその契約が本人のためにする事を示したときに、その効力が本人に帰属することになります(民法99条1項)。通常、代理権は本人が委任に基づいて代理権を授与する、いわゆる任意代理に寄っています。また、代理人が本人のために契約を締結することを示すことを顕名主義と言います。ただし、商行為の代理人については、顕名主義を取らず、本人のためとする事を示さないでなした場合でも効力を生ずるとし、非顕名主義をとっています(商法504条)。

株式会社では、取締役が代表権を持ちますが、多くの会社では代表取締役に代表権を限定しています。したがって、契約はその代表取締役が締結権限を持ち、重要な契約では代表取締役が会社を代表して契約を締結することになるのが通例であり、相手方当事者としてもその代表権限を求めるのは当然でしょう。しかし、実務上は、代表取締役が会社のほかの取締役や部長などに委任をして、代理人として契約が締結されることとなります。実際の企業取引では、部長や課長と言った初期席にあるものが経営的に個々の取引の契約締結にあたっており、代表権のある取締役から委任を受けて契約をすることはまれです。
このように代理権減の無い従業員が契約を締結することは、無権代理となり、会社にも締結した本にも契約の効果が及ばないことになります。しかし、実際の企業取引では会社の決裁権限規定によって従業員などに対して契約締結権限を与えており、またそのような規定がなくてもそのような職責にある従業員が継続的に契約を締結している場合には、黙示的に代理権を授与したものとみなされます。無権代理による取引を保護するために、民法は表見代理の規定を置き代理権授与の表示による表見代理(民法109条)、権限外の行為の表見代理(民法110条)、および代理権消滅後の表見代理(民法112条)の規定を置いています。
尚、会社法は代表権のない取締役に社長、副社長と言った会社を代表すると認められる名称を許した場合には、善意の第三者に責任を負わせる表見代表取締役の規定を置きます(会社法
354条)。

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