Home / 未分類 / 契約総論

契約総論

契約総論

  1. 相談対応

    1. 相談を受けたら

取引確認(商流、物流、情報流、+保証)

各プレーヤーの機能(役割)を確認する。

契約確認(従来の契約締結状況)

前方確認と後方確認。

要求確認

相手の要求とその背景を確認する。

営業の要求とその背景を確認する。

将来予想

業界の動向を踏まえ取引の将来を予想する。

  1. 取引確認

 

  1. 先方書式の場合

    1. チェックの手順

①マーカー(当社のみ債務・責任を負う規定を青マーカー、双務規定を緑マーカー(ただし、事実上の片務規定に注意))

②チェックリスト(⇒エクセル参照)

③細かい文言を見る。

④片務から双務にすべき規程をチェック。

⑤重要なところを再チェック(取引類型別の重要条項を赤マーカー売買基本契約の場合は、品質保証、債権保全策、リスク負担など)

 

  1. 仕入先への付替可能性のチェック

仕入先と同内容のNDA締結済みか?

 

  1. Deviation Listを作成する必要はあるか?

Deviation Listとは、客先の要求に対し、沿うことが難しい要求のリストのこと。

結局、契約書を修正するか、変更覚書を作るのだから、最初からそうすればよい。

Deviation Listを作る方が何か楽になるならよいのだが、楽になったことは一度もない。

 

また、Deviation Listを中心にしたやりとりでは、法務と営業の間で理解に齟齬が生じる場合がある。

例えば、先方書式基本契約の検討において、

法務は、①基本契約、②基本契約の変更覚書、③個別の覚書を結ぼうと思っていたが、

営業は、①基本契約と           ③個別の覚書を結ぼうと考えていた。

 

必ず契約書案を添付すること。Deviation Listのみを渡してはだめ。

Deviation Listは明確性を欠く。

「指示は一義的かつ具体的に」という一般原則に反する。

この契約書を結んでください、と具体的な形にする。

 

  1. 契約書作成基本技術

    1. 直接的に書く

お上品に書いてはならない。

「食事を頂く」ではその場で食べたのか持ち帰ったのかが不明。「出された食事をその場で食べた。」と明確に直接書く。

Avoid: 買主は責任を免れないものとする。A, B, C その他諸事情を考慮して判断する。

Use: 買主は責任を負う。

 

  1. 端折らない

NG: 甲が甲の発注者から工事の保証について債務の履行を求められた場合であって、その要求が物品の製造業者の保証書もしくは乙の出力保証契約の対象であるときは、まずは物品の製造業者が保証書に基づく債務を履行し、製造業者が履行できない場合に限り乙が物品の出力保証契約に関する債務を履行する。

OK: 甲が甲の発注者から工事の保証について債務の履行を求められた場合であって、その要求が物品の製造業者の保証書もしくは乙の出力保証契約の対象であるときは、まずは物品の製造業者が甲の発注者に対し保証書に基づく債務を履行し、製造業者が履行できない場合に限り乙が甲の発注者に対し物品の出力保証契約に関する債務を履行する。

 

これでは「物品の出力保証に関する債務の履行」の宛先が「甲」だと読み間違えてしまう。

もちろん良く考えれば「物品の出力保証」は「甲の発注者」にしているのだから、法律家が読めば、「物品の出力保証に関する債務の履行」の宛先は「甲の発注者」であることに疑いはない。

しかし読み間違いは紛争の元である。

 

  1. Inverse(裏)も書く(「A→B」だけでなく「¬A→¬B」も書く)

引渡後の商品の滅失・毀損は、買主の責任とする。

引渡前の商品の滅失・毀損は、売主の責任とする。

 

  1. All and Exclusiveに書く

商品の品質保証は、メーカーが負担するものとし、売主は負担しない。

商品の品質保証は、メーカーのみが負担する。

商品の品質保証は、すべてメーカーが負担する。

商品の品質保証の一切は、メーカーのみが負担する。

 

  1. 責任回避は明確に

自分(甲)が責任を負わないことを明確にすること。

Avoid:売主が買主に販売した商品に関するクレームその他は、メーカーの責任とする。(これでは実行性がない)

Use :売主が買主に販売した商品に関するクレームその他は、メーカーの責任とする。買主はメーカーに対してのみ請求でき、売主に請求することはできない。

 

  1. 有効期間

最初の出来事が含まれるように始期を定めること。

 

 

 

  1. 契約チェック

    1. 印紙

渉外契約の課税判断は最後のSign国。アメリカは印紙税無。韓国は印紙税有。

海外の印紙を貼る場合はどうするか?相手に購入してもらえばよい。精算は取引における支払で調整する。

サインの日付を入れること。

 

  1. 記名捺印欄

    1. 営業本拠地と本店が異なる

本拠地以外の場所を本店として登記することは可能。

営業本拠地と本店が異なる原因として、従来は、信用力の強化や商号登記の都合等があったが、近年では合併等の組織再編成などがあげられる。

 

  1. 納税地の指定

法人の納税地は、「その本店又は主たる事務所の所在地とする」(法法16)。これは法人の納税地を事業活動の本拠地とする趣旨。

従って、本拠地ではないところで税務調査が行われることになる。

脱税行為、租税回避行為、税務調査対策のための本店登記

<参考>『所得税、法人税制度史草稿』(大蔵省主税局調査課、昭和30年)

「この納税地の指定が認められるに至つた裏面には次のような事情があつたのである。これは何も戦後に始つた例ではないが、法人税の増徴が度重なるにつれ、特に戦後においてはヤミ利得追求のため厳重な調査が行われ始めたのにつれ、本店を東京、大阪等に移転する法人が激増してきた。官庁との連絡、金融上の便という表面上の理由は掲げていても、事実上税金逃れのために移転した者も少なくなかったのである。理屈からいえば本店を大都会に移したからといって租税の負担が異なるわけのものではないが、現実の問題としては、大都会ではどうしても手がまわり兼ねる実情にあり、また単に看板を掲げているだけに過ぎない本店で主たる事業場の事業活動を知らないで調査しても、調査不徹底になり勝ちなのはやむを得ないことであり、その間隙を利用して脱税が行われていたのは事実であった。こうした事情を考慮して、法人の事実上の事業の中心地を納税地として指定する途が拓かれたのであつて、従来のように逋税の目的で本店を移転しても事実上無意味となるに至つたのである。」

 

例えば、北海道に事業活動の本拠地がある法人が、東京に総勘定元帳等の帳簿を置いて記帳した上、東京で本店登記したとする。この場合、所轄税務署は東京国税局管内の税務署となるが、遠隔地の北海道に本拠地のある事業の実態を正確に把握することは非常に難しい(特に税務調査)。

 

  1. 本拠地の判断

法人税法18条の「納税地として不適当であると認められる場合」(『会社税務釈義』(第一法規))

「納税地の指定については、次のような事項を参考として、総合的に事業活動の本拠地がいずれにあるかを判断することとされている。

(1)法人の定めている本店又は主たる事務所において、その法人の経営の監督、は握、事業活動がどの程度行われているか、また、本店又は主たる事務所以外の場所(例えば支店、事業所、工場等)においてこれらの事項がどの程度行われているかどうか等により判断する。すなわち、その具体的な判断としては、次のような事項がある。

①法人の経営活動の計画が、いずれの場所で作成され、これに参加する者は誰か。

②経営の指令及び事業の監督は、いずれの者が行い、かつ、これらの者は、常時いずれの場所において勤務しているか。

③法人の経営状況の把握、すなわち生産状況、販売状況等事業全体の経営の進行状況がいずれの場所で把握されているか。

(2)事業の取引行為、例えば、商品若しくは原材料等の購入、商品若しくは製品の販売等の取引、これらの取引代金の授受及び金融取引が主としていずれの場所で行われているかを判断する。すなわち、具体的には、次の事項についてその主たる場所の判断をする。

①商品又は原材料の購入の指令は、どこから行われ、その仕入先は、いずれの地域に主として存在するか。また、その商品等の納入場所はいずれか。

②商品又は製品の販売は、どのようにして得意先と契約が締結され、その納入の通知はどこからされるか。また、その販売先への納入はどのような方法(汽車積、自動車運送等)によって行われ、その対象先はどの地域に存するか。

③商品等の購入代金の支払は、いずれを支払場所として行われるか。

④商品等の販売代金の受入れは、いずれの場所で行われ、その代金は、いずれに所在する銀行等の金融機関において行われるか。

⑤手形の発行の場合等の支払場所をいずれの場所としているか。

⑥金融上の借入資金は、いずれの地域の金融機関から行われているか。

(3)法人の役員又は業務執行役員が、いずれの場所に生活の本拠(住所又は居所)を有し、かつ、いずれの場所において法人の業務を執行しているか。すなわち、法人の人的施設について、次のように具体的な事実を判断する

①会社については、取締役会や業務執行役員会(いわゆる役員会)、会社以外の法人にあっては、理事会等の開催地又はこれらの会の構成員の主たる勤務場所はいずれか。

②法人の各役員の所有するその法人の株式又は出資の持分は、その法人の発行済株式又は出資のうちどの程度の割合を占めているか。

③その役員の法人における地位(例えば、社長、会長、常務取締役、専務取締役、平の取締役、監査役等)又は法人の代表権の有無等から、その法人においてどのような役割をもっているか。

④役員相互間における特殊な関係(例えば、親族、生計を一にする者等)があるかどうか。

(4)法人の所有する資産の所在場所が、主としていずれの場所にあるか。すなわち、法人の物的施設について、次のような具体的な事項を判断する。

①法人の所有する工場等が数か所ある場合において、それぞれのその生産設備(固定資産)の価額又は生産額の全法人のこれらの金額のうちに占める割合はどうか。

②棚卸資産の事業年度末における評価額は、各場所ごとにどのような分布状況になっているか。

③各場所ごとの従業員の状況(ことに職種別の内容)は、どのような分布となっているか。

(5)法人の経理、とくに取引の記帳、整備及びその取りまとめの状況は、主としてどの場所において行われるか、すなわち、具体的には、次のような事項について判断をする。

①各事業所における記帳及び整理の取りまとめの記入及び整理をどこの場所で行うか。

②法人全体の経理を明らかにする帳簿書類の作成、記帳は、いずれの場所において行うか。

③主要簿書類の保存場所は、どこか。

④決算についての指示、命令等は、いずれから行われ、その報告等はどこの場所で取りまとめるか。

⑤法人の主要取引等の契約文書の作成、調印及び保存等はいずれの場所か。

⑥各事業場相互間の連絡調整は、いずれの場所で行っているか。

(6)(1)から(5)までのほか、税務官署において、その法人の所得金額を補そくし、又は計算をする場合において、いずれの税務署においてすることが、最も適当であるかどうかを総合的に判断する。」(4631頁~4633頁)

 

 

  1. 締結日

社内決裁日より後。

 

  1. 契約締結のポイント

    1. 契約書案は営業と法務のどちらが作成すべきか?

法務が作成すべき。

営業が作成しても叩き台にすらならない。法務が要求をヒアリングして作成すべき。

特に営業の偉い人が作成すると扱いに困る。そのような事態は極力避けること。

 

  1. Back-to-Back with main contract (販売先からの要求を仕入先へつなぐ)

http://www.lexology.com/library/detail.aspx?g=d75e0cf3-eb8d-4ce5-b39a-13e7b9b4ec4e

 

 

  1. back to backとは?

back to backとは、下請契約の条件を元請契約と同じにすること。

したがって、back to back契約では、元請の発注者に対する義務=下請の元請に対する義務となります。

こうすることで元請は責任を免れる

元請は、発注者から契約上の請求を受けた場合、そのまま下請につなぐことができます。

 

 

 

したがって、back to back契約では、

 施主に対する元請の義務=元請に対する下請の義務

 下請に対する元請の義務=元請に対するお客さんの義務

となるわけです。

 

下請契約がback to backになっていれば、お客さんから契約に基づいて何か言われたときは、そのまま下請に言って下請に対応させることができます。

また、下請から何か請求を受けたときは、そのままお客さんに請求すれば、お客さんがその分を支払ってくれるはずです。

万一、下請(お客さん)が「契約上そんな義務はない」と言うなら、そのままお客さん(下請)に同じことを言えばよいのです。

契約でどんなにもめたとしても、最終的な負担はお客さんか下請に行きますから、元請のリスクにはなりません。

 

それから、資金的な点から見ても、下請への支払いはお客さんから代金をもらった時で良いことになっているはずなので、独自に資金調達をする必要はありません。

お客さんの支払いが遅れた場合でも、下請には「お客さんが払ってくれないから、ちょっと待って」と言っておけば良いのです。

支払い遅延により下請に損害賠償しなくてはいけないかもしれませんが、お客さんとも同じ契約条件ですから、お客さんから損害賠償を取って、そこから払えばOKです。

 

元請としては、お客さんや元請の倒産等の特殊な場合を除き、自分の腹は絶対痛まないという大変うれしい状況になるわけです。

 

 

A back-to-back agreement is an easy to conclude form of partnership, mostly used if you work together on one specific project. The parties remain independent, no new legal entity is created. The client has an agreement with the main contractor, who purchases part of the activities from the subcontractor. Specific for a back-to-back agreement is that the subcontractor complies to the terms and conditions in the project agreement between the client and the main contractor. With a back-to-back agreement you can also arrange that the subcontractor is only paid directly after the client has paid the main contractor. In this way the subcontractor does not only feel responsible for his task, but also for the project as a whole.

 

販売先から品質保証や製造物責任が求められることは多い。しかし商社は品質保証や製造物責任を負担出来ない(例えば、修補はメーカーにしかできない。)。またリスクをコントロールできる立場にない。したがって、これらの保証や責任はメーカーへつなぐ必要がある。

ではどのようにつなぐべきか?

 

  1. 交渉の手順

POINT:ユーザー(販売先)より先にメーカー(仕入先)と合意してはダメ。

 

ユーザー(販売先)からの要望をメーカー(仕入先)が受け入れられるか、を確認する。

STEP1:ユーザー(販売先) ⇒ 当社 ⇒ メーカー(仕入先) 

STEP2:ユーザー(販売先) ← 当社 ← メーカー(仕入先) 


  1. 仕入先に同じ負担を求める

結果の表明・保証(品質保証など)は仕入先につなぐだけで足りる。


 

同一債務負担の覚書

商社に代わりメーカーが責任を負う旨の覚書


 

「仕入先は、当社が販売先に対して負う債務や保証と同内容の債務や保証を、当社に対して負うものとする。」という覚書

「仕入先は、当社が販売先に対して負う債務や保証について、当社に代わって販売先に対して債務を負いまた保証を行うものとする。」


 

商社販売先間の契約を、商社仕入先間に書き換えるもの。

ユーザーの承諾が必要。メーカーが責任を負うこと自体は良いのだが、窓口は商社に限られることもある。

 

  1. 契約文言

覚書

甲及び乙は、乙と丙とが年月日付で締結した「」について、以下の通り合意する。

第1条 本覚書は、原契約における乙の丙に対する債務、保証、責任等(以下債務等という)について、メーカーである甲の負担を定めることにより、乙の丙に対する債務等の履行を確実ならしめることを目的とする。

第2条 甲は、原契約において乙が丙に対して負う債務等と同内容の債務等を乙に対して負担し、また甲は、乙の求めに応じ、乙に代わり丙に対し債務等を履行する。

第3条 乙は、原契約の写しを甲に交付する。

第4条 本覚書締結以降において原契約が変更された場合であっても、本覚書は変更後の原契約に適用され、乙は変更後の原契約の写しを甲に対し速やかに交付する。

第5条 本覚書の有効期間は、原契約の各条項がすべて失効するまで、とする。

 

債務とは、特定の人に対し、一定の行為・給付(物の引渡しや役務提供など)をしなければならない法的義務。

保証とは、(1)主たる債務者が債務を履行しない場合に、その債務を主たる債務者に代わって履行する義務を負うこと(446条)、(2)ある事実を表明し、その事実を約束すること。

 

  1. 読み替え方の工夫

「ユーザーの書式で」という条項の読み替え方

1.仕入先は、原契約において当社が販売先に対して負う債務や保証と同内容の債務や保証を、当社に対して負うものとする。

2.前項の債務および保証の負担のため、原契約は以下のように読み替える。

原契約における書式等の方法の指定については、当社の販売先が指定する方法とする。

 

  1. 三社契約


 

対策①:三社間契約

対策②:二面+二面契約。


 

メーカーが主債務者、商社が連帯保証。

商社・ユーザー:商社はメーカーに保証させるものとし、連帯保証する。


 

商社の機能が信用機能のみになる。販売先とメーカーとが直接に交渉すると、商社が商流からはじかれる可能性もある。


 

 

  1. その性質上第三者に委託できない債務、且つ商社が負担できない債務

品質保証条項におけるQC(製造プロセスにおける品質管理)に関する条項がある。

その中には、品質管理体制構築義務や品質管理者選任義務などがあり、これらはその性質上第三者に委託できない(従って商社負担となる)。

しかし、製造プロセスを管理しているのはメーカーである。

どうすべきか?

商社にできることは仕入先の管理監督までであり、対策として以下の2つがある。


 

対策①:三社間契約

対策②:二面+二面契約。販売先との契約を修正する。


 

メーカーはユーザーに対して品質管理体制構築義務を負い、商社は連帯保証する。

商社・ユーザー:商社はメーカーの品質管理体制を管理監督し、また連帯保証する。

 

  1. 一手間必要になるもの

書面による報告の場合、書面は商社名義でなければならない。

従って、メーカー作成の報告書を、商社名義に書き換える手間が必要。

例えば「販売先の書式にて報告する」という条項など。

 


 

対策①:三社間契約

対策②:二面+二面契約。販売先との契約を修正する。


 

メーカー作成のQC工程表を、商社がユーザーへ提出。

商社・ユーザー:メーカー作成のQC工程表を、商社がユーザーへ提出。

例えば、「販売先の書式により当社または加工委託先が作成した資料にて報告する。」といった文言を追加する。

 

  1. 販売先(ユーザー)から保証が求められなかった場合

販売先(ユーザー)から保証が求められなければ良いか、というとそうではない。

民法や商法上の責任は免れないし、事実上の問題として、契約にないことが求められることもある。その場合に備えて、仕入先(メーカー)につなげる状況を作る必要がある。

 

  1. 物を使うには

物を使うには、(1)単独で(2)所有するか借りることが必要。

共有は回避すべき。持分権では使用に制限がある。共有の場合は、使用権を明確に定めること。

 

  1. 契約の終了

POINT:撤退は一回で終わらせること。問題の積み残しはしない。

契約終了の場面は利害が衝突する。利益に結びつかないため士気が低下し、誰も真剣に取り組もうとしない。

このような局面では問題の積み残しは厳禁である。とりあえず商権譲渡契約書を結んで基本契約の承継などの後片付けは後日対応、とすることがある。しかし、譲渡後は担当者不在となるため誰も後片付けをしない状況が生じうる。(特に譲渡側当事者側。また年度を跨ぐと異動の確率は高くなる。)

 

  1. 解約合意書に先方がサインしてくれないときはどうするか?

そのために契約期間を設けている。自動更新しない旨の通知をする。

なお、先方に渡した当社サイン済合意書は速やかに回収すること。

 

 

  1. 取引基本契約

 

  1. 期限の利益喪失

    1. 電子記録債権を追加する

支払不能の状態に至ったとき、又は自ら振り出し若しくは引受けた手形若しくは小切手が不渡りとなった場合、自らが債務者である電子記録債権に係る債務が支払期日に支払われなかった場合その他支払停止状態に至ったとき。

 

 

  1. 保管場所の明記

賃貸借や寄託契約において、保管場所を契約書に明記すべきか?

①保管場所を契約書に明記する。保管場所変更には契約変更が必要。必ず管理部門を経由するため管理方法としては確実。ただし機動性に欠ける。

②書面による通知および承諾で変更可能にする。保管場所変更には管理部門を経由しない。機動性は高い。

③通知だけでよい。相手から一方的に変更されてしまう。

 

保管場所を把握する必要性は、①財産管理、②保険付保、③緊急時の商品回収。

 

 

  1. 製造物責任

製造物責任とは、製造物の欠陥により、他人の生命、身体、財産を侵害した場合の賠償責任。

欠陥とは安全性の欠如。(なお、瑕疵とは機能・品質・性能・状態の不備)

機能:何ができるのか

性能:

信頼性

拡張性

運用性

セキュリティ

  1. 完全合意条項

この規定は必須。理由は、従前の基本契約の適用を排除する必要があるから。

 

  1. 売買と請負

売買契約と請負契約の違いは何か?

POINT: 契約解除と修補責任

 

所有権の移転と仕事の完成、というのが教科書的な回答だが、意味がない。

 


 

売買

請負


 

商品の所有権移転と引渡し

仕事の完成と引渡し

契約解除

不可能

いつでも可能

修補責任

なし

有り

 

  1. 制作物供給契約(製造物供給契約・請負供給契約)

製造物供給契約とは、①注文に応じて製作し(前もって生産しておくものではなく)、②材料は受注者が自社調達し、③完成品を供給すること。例えば、家屋建築や注文服・注文家具製作など。

①②は請負が、③は売買が適用される。

 

【判断基準】


 

土地工作物の建造

代替物の製作供給

不代替物の製作供給


 

請負契約

一般に売買

一般に請負


 


 

「注文者の瑕疵修補請求権・解除権など(民634・641・636条)の適用(準用)は肯定されてよ」い(小辞典)

「代金の支払や果実に関する規定(民573~575条)の適用がありうる。」(小辞典)


 


 

スーツのイージーオーダー


 

 

 


 

製造

加工


 


 


 


 


 


 

 

 

  1. 寄託契約

    1. 高価品の寄託

手荷物として預けた物品が航空会社の過失によって破損した場合、支払われる賠償金は15万円が上限になりますが、それより高価な手荷物である場合、預ける際に価格を申告することができます。

それによって賠償金の上限が上がりますが、輸送料も上がります。差額分を従価料金として支払うことになります。

これを支払っておくことで取り扱いが丁寧になるということです。

賠償してもらうことを期待して従価料金を払うのでなく、「大切に扱ってね」というサインを出すために従価料金を払うのです。

 

 

  1. 取引開始の相談を受けたら

交渉前NDA。

反社覚書の締結も必要。

 

  1. 契約の基本

    1. 停止条件と解除条件

http://allabout.co.jp/gm/gl/2805/


 

停止条件付契約

解除条件付契約


 

一定の事実(条件)の発生(成就)によって効力が生じる契約

一定の事実の発生によって効力を消滅させる契約

e.g.

・建築条件付きの土地売買契約

その土地での建築に関する請負契約が締結されることが条件となり、条件成就により、土地売買契約が “売買契約締結の日に遡って” 効力発生

・借地権付き土地の売買契約で売買にあたり地主の承諾を要する場合

地主の承諾を得ることが条件となり、条件成就により、土地売買契約が “売買契約締結の日に遡って” 効力発生

・ローン条項付の売買契約

住宅ローン融資の不成立が確定したときに契約の効力が失われます。ただし、不成立により無条件で契約解除になる場合と、買主が契約解除するかどうかを選択できる場合(解除権留保型)とがあり、そのいずれかは売買契約書の条項で定めるところによる。


 


 


 

 

 

  1. 二者間契約⇒三社間契約

Preambleの追加。

“The other party”を”another party and/or the other parties”に変更

Executionを

副本

Signature

 

 

  1. 事案類型別

    1. 商流への介入

メーカーとユーザーの商流の間に商社が割って入ることがある(メーカー⇒商社⇒ユーザー)。

①メーカー―商社の契約、②商社―ユーザーの契約、が必要であり、すり合わせが必要。

②を新たに結んでも良いが、ユーザーの立場が強く契約締結が難しい場合がある。

メーカー―ユーザー間の契約上の地位を譲り受けてもよい。

 

  1. 不動産の任意売却

住み替えや資産処分のため、マンションや一戸建てなどの自宅を個人が売却しようとするとき、不動産業者に「自宅を売ってください!」と依頼することになります。

依頼を受けた不動産業者は指定流通機構に売却物件の登録をしなければなりません。

これは他の不動産会社に来店したお客様にも物件を紹介するようにできる不動産業界のルールで、宅地建物取引業法にも明示されています。

しかし、これは業者の思惑によって必ずしも守られていないのが現状です。

 

  1. 契約の解釈

    1. 一見矛盾する条文の処理

 

優先関係があればそれに従う。

優先関係がない場合、

・一方の適用により他方の適用場面が無くなるパターン

効果が共通であり、一方の要件の充足が他方の要件を同時に充足する

e.g. ①3年経過後終了する。②5年経過後終了する。

 

・完全に矛盾するパターン

要件は同じだが、効果が両立しない

e.g. ①準拠法は日本とする。②準拠法はアメリカとする。

 

・一方が他方の効果を打ち消すパターン(抗弁パターン)

e.g. ①Aは3年経過後解除できる。②合理的な理由が無い限り解除できない

 


e.g. ①本契約の有効期間は5年とする。②破産時点で契約は終了する。

 

  1. 取引実務と契約書の記載に齟齬がある場合

STEP1: 取引実務に合致するように契約書を柔軟に解釈する。

STEP2: 解釈による解決が難しい場合、再締結もしくは変更覚書締結(または取引慣行を契約文言に合わせる)

再締結は急ぐ必要はない。再締結を急ぐと、これまでの取引実務を否定する意味を含むため、過去の取引の安定性が失われる可能性がある。したがって、適切なタイミングで、取引実務を追認する方法をとるべき。

 

  1. 契約書の訂正

どの箇所の、何を削除し、何を加入したか、を明示して両者捺印する。

 

第○条 ○○字削除 ○○字加入

第○条 第○項乃至第○条全文削除 ○○字加入

第○条第○項 全文削除 ○○字加入

 

  1. 相談対応

    1. 基本契約

      1. 基本契約締結先と商品Aについて特別条件で取引したい

商品Aについても基本契約が適用される。

そこで、①商品Aは基本契約の適用対象外であることと②商品Aについての取引条件を定めた覚書を締結する。

なお、基本契約自体を再締結してはならない(全取引について条件変更となってしまうから)

 

  1. 本店と契約を締結しているが、新たに支店と取引する場合は契約が必要か?

本店との契約が、全社全社であれば不要だが、本店限りの契約であれば別途契約締結が必要。

 

 

  1. 取次

    1. 取次と売買の違いは?

取次は役務提供契約(委任)。したがって契約対象は役務(サービス)。

売買は所有権移転契約。したがって契約対象は物の所有(および占有)。

 

  1. 取次と請負の違いは?

取次は役務提供契約(委任)。役務内容は契約代理。

売買は

 

 

  1. 運送取次

    1. 運送取次事業(貨物運送取扱事業法第2条第10項)

「運送取次事業」とは、

(1)他人の需要に応じ、(2)有償で、

(3)①自己の名をもってする運送事業者(実運送事業者及び利用運送事業を経営する者に限る。以下この項において同じ。)の行う貨物の運送の取次ぎ若しくは運送貨物の運送事業者からの受取又は

  ②他人の名をもってする運送事業者への貨物の運送の委託若しくは運送貨物の運送事業者からの受取

(4)を行う事業(港湾運送事業法(昭和二十六年法律第百六十一号)第二条第二項の港湾運送事業及び同条第四項の規定により指定する港湾以外の港湾において同条第二項の港湾運送事業に相当する事業を経営する事業を除く。)をいう。

(1)荷主の需要に応じ、(2)有償で、(3)①自己の名をもってする運送事業者の行う貨物の運送の取次ぎ(4)を行う事業であるから、「運送取次業」(貨物運送取扱事業法第2条第10項)に該当する。

 

  1. 利用運送事業(法第2条)

第二条 この法律において「実運送」とは、船舶運航事業者、航空運送事業者、鉄道運送事業者又は貨物自動車運送事業者(以下「実運送事業者」という。)の行う貨物の運送をいい、「利用運送」とは、運送事業者の行う運送(実運送に係るものに限る。)を利用してする貨物の運送をいう。

運送事業者の行う運送を利用したとしても、「貨物の運送」を行わないのであれば「利用運送」ではなくしたがって「利用運送事業」ではない。

 

  1. 貨物取次と利用運送事業との対比表


 


 

貨物取次(本スキーム)

利用運送事業

荷主との関係

契約

取次委託契約(委任契約)

貨物運送契約(請負契約)

当社の債務

①貨物の運送を取り次ぐ債務

(荷主の為、適切な運送業者を選任し貨物運送を委託する債務)

②運賃支払の代行

貨物を所定場所まで運送する債務

(運送事業者としての債務)

当社が受ける対価

取次料金(手数料)※運賃ではない。

(尚、荷主からは取次料金に加えて運賃を受け取るが、運賃は対価としてではなく預かり金)

運賃(貨物運送の対価)

運送業者との関係

契約

貨物運送契約(請負契約)

貨物運送契約(請負契約)

運送業者の債務

貨物を所定場所まで運送する債務

(運送事業者としての債務)

貨物を所定場所まで運送する債務

(運送事業者としての債務)

当社が支払う対価

運賃(貨物運送の対価)

運賃(貨物運送の対価)

 

 

  1. 既存契約への当事者追加

読み替えが可能であれば、

 

 

  1. 契約に関する基礎的な質問

    1. 見積書⇒注文書⇒注文請書の場合、いつ契約が成立するのか?

注文書発行時に契約成立。

申込(見積書)と承諾(注文書)

  1. 見積書

見積書が申込に当たらないためには、申込ではない旨を明記すればよい(本お見積は確定的なものではなく、正式には貴社注文に対して当社が注文請書を発行した時に成立するものとします、など)。

 

  1. 注文請書が返ってこないケース

裏面約款付き注文書と注文請書雛形を交付しているが、注文請書のサインバックがもらえないケースにどのように対応するか。

何も返してくれない場合は、基本契約を締結し、請書の応答期間を定める。

注文書の表面にのみ受注者がサインしてFAX送信してくる場合、注文書の表面に裏面内容を引用する文言を書き加える。これにより受注者は、表面のみサインしたので裏面は知らない、という抗弁ができなくなる。ただし、(1)引用文言は明確に記載し、(2)書式の変更を説明し、(3)場合によっては裏面約款を一度読み合わせるなどして、受注者が表面へのサインの意味を理解する必要がある。

 

但し、当社書式のS/CONのサイン日は、現代のP/CONの当社サインバックの到達日より後の日付とすること。

(より後の日付の契約が有効となるため)

S/conとP/conの締結手順は下記のとおりとなります。

STEP1: 現代→SMX P/CON送付

STEP2: 現代←SMX P/CONサインバック(到達)⇒P/CON成立

STEP3: 現代←SMX S/CON送付

STEP4: 現代→SMX S/CONサインバック(到達)⇒S/CON成立

STEP3は、必ずP/CONサインバックの到達(STEP2)の後にしてください。

STEP2の到達前にSTEP3を行った場合、STEP3が現代のP/CON(STEP1)に対する承諾として扱われる可能性があります。

(ウィーン売買条約に基づき、契約は承諾到達により成立します)

 

 

  1. 誓約書に合意書の違いは?

誓約書とは、誓約者が債務を認めることの証書である。従って、誓約書に「借りましたが返却しません。」などと書いても、誓約者は返却義務を免れない。

これに対して合意書で定めれば、貸主は返却しないことを認めたことになり借主は返却義務を免れる。

 

  1. backdateとretroact

(1)締結日のBackDateは禁止ですが、

(2)契約の遡及適用(Retroact)は可能です。

というのも、

(1)は、契約が成立した日を事実に従い記入しますが、

(2)は、相手方と合意した適用開始日を記入します。

 

 

頭書

Signature Dateを確認。

会社の名称(商号)、本店所在地

有効期間

From/Toを確認

署名

サイナーのタイトルを確認

サイン日付を確認

 

 

  1. 不良品の扱い

 

不良品を販売先で廃棄してもらいたい。どうしたらよいか?

仕入先から廃棄委託をしてもらう。費用負担も明記すること。

 

 

  1. 取引終了

取引終了の際には、在庫・仕掛品・原材料・梱包資材などの負担が問題になる。

特約なければメーカーが負担する。

ただし、フォーキャストがあると問題になる。

なので、取引終了の際の処理を基本契約に書いておくとよい。

 

 

  1. 金型の取り扱い

 

  1. 会計処理

http://www.shinnihon.or.jp/corporate-accounting/industries/typical/pdf/accounting-tax-07-2009-12-01.pdf

 

  1. 取扱説明書の名義

①PL責任、②クレーム対応窓口(コールセンター)

取扱説明書は製品製造者の名義で出すべき。

販売者名義の場合、表記の仕方によってはPL責任が問われる。

 

 

  1. 価格が決まらない段階での見積もり発行

 

ある商品は作ってみないと総量が確定しないため、単価が確定しない(コストオンで価格算出)。見積書にはどのように記載すべきか?

仮単価です。製造出来高確定後、確定単価と価格をご通知いたします。と書けばよい。

 

仮単価・・・単価が確定していない。価格の確定は事後となるが、自動的に算出されるものと、新たに合意するものがある。

推定単価・・・算定式で価格を推定したもの。

 

 

  1. 滞留在庫の引き取り

在庫取引において滞留在庫を仕入先に引き取らせたい場合、以下の契約構成が考えられる。

 


 

委託販売

預託売買

売買(在庫取引)+解除条件付

売買(在庫取引)+売戻特約


 

仕入先が当社に販売を委託する。

仕入先が当社に商品を預け、当社が必要に応じて都度買い取る。

仕入先が当社に商品を販売するが、6ヶ月経過しても再販売先が見つからない場合は、仕入れの全部又は一部を解除できる。


 

仕入先の資金負担


 

棚卸資産回転期間

+当社在庫期間(6ヶ月)

+ユーザンス(2ヶ月)

棚卸資産回転期間

+ユーザンス(2ヶ月)

棚卸資産回転期間

+ユーザンス(2ヶ月)

返品価格


 

当社の仕入価格

取り決めた販売価格(当社簿価など)

販売与信(仕入先への)


 

不要

必要

必要

仕入先への提出書面


 

返品通知

返品通知(解除通知)

請求書(マイナスの金額を記載)

返品通知

請求書(販売金額を記載)

返品の際の在庫処理


 

特に無し


 


 

仕入れ


 

月末の受託商品残高を計算し、毎月末に洗替えにより計上する。

その他保管資産 xxx  / その他預り資産 xxx

商品950/買掛金900

      /負債:未精算原価諸掛50

       (付帯費用)

その他未収入金(消費税)45/負債:未精算原価諸掛45 (税関に支払う消費税の実額)


 

返品


 


 


 


 

 

  1. 1.10規約作成の実務

 

附則の規定事項

①施行期日

②その法令の施行に伴い他の法令を廃止する必要があればその規定

③経過措置

④他法令の改正が必要ならその規定

 

 

 

  1. 遅延損害金

契約書の遅延損害ですから、会社同士の契約の場合の条件をまとめてみました。

 

1.民法規定 5% 民404(利息),419(遅延損害金)

特段の記載が無い場合は、これを適用。

異なる約定可

 

2.商事法定利息 6% 商法514

商行為の債務の法定利率、異なる約定可

 

3.利息制限法上の利率 (既出)

100万円以上 15%、10万円以上100万円未満

年18% 、10万円未満

年20%

 

4.利息制限法上の遅延損害金利率 (上記の1.46倍)

100万円以上 年21.9%

10万円以上100万円未満 年 26.28%

10万円未満 年29.2%

 

と成っています。

ですから、この中で上限を定めて、相手が消費者でなく、会社同士の契約で、「予めこれを越える損害遅延利息を約定する」ことは可能となっていますが、利息制限法により4の条件が上限になります。 定めがない場合は、民法規定の5%と思います。

つまり、4の条件以内ならば「約定」が可能です。18.25%は、この中に入っていますので、違法ではなく、そのような数値を定めたのだと思います。

 

藤田行政書士総合事務所 さん がご紹介された判例ですが、賃貸住宅の敷金精算の妥当性に関する判断であり、その延滞金の規定の無い部分については1の民法規定 5%となり、それ以外の部分で「約定利息が日歩5銭」とあったので、その定めによっています。  残念ながら、なぜ18.25%かの理由は私には判りませんでした。(日歩5銭が切りが良いというのが理由かも?)

個別の契約で、上記4の条件を越えなければ、約定するのが可能ですから、それ以内のいくつの値でも可能だと思います。 この判例の契約では、たまたま 日歩5銭だったのと思いますが。

 

以下 判決文より引用

「原告の請求は,過払家賃5万1097円及びこれに対する退去日の翌日から支払済みまで民法所定の年5パーセントの,敷金残金29万5787円に対する弁済期の平成17年4月22日から支払済みまで約定の日歩5銭の各割合による遅延損害金の支払を求める範囲で認容できる」


 

Check Also

ドローンの飛行規制のまとめ

  ドローン規制のまとめ ドロ …

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です