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海外投資と法規制

海外への投資には様々な規制が存在していますが、WTOは貿易関連投資措置(TRIM)を制定、GATT3条の“内国民待遇”を外国投資者に与える事を前提とする一連の規制解除策を設けています。
投資規制処置の現状を振り返ってみましょう。

『国家安全の見地からの投資規制』

米国は特に国家安全保障の配慮から、従来から外国投資への制限を行っているのですが、近年注目を集めているのはエクソン・フロリオ条項による規制処置で、1988年包括通商・競争力法の中に米国の国家安全に悪影響を与える外国投資を制限する規定として盛り込まれました。その他、米国は同国の安全に外国企業を与え、または与える可能性がある国(いわゆるテロ支援国)に対する外国企業の投資を抑制する目的で当該外国企業に制裁を課す法制を持っています。
具体的には、イランとリビアがその標的であり、通商イラン・リビア制裁強化法です。対象となる投資はこれらの国の石油・ガス部門に対する2,000万ドル以上の投資です。このような国家安全保障上の措置は米国以外の国にも及んでおり、例えばドイツは外国企業がドイツの防衛関連企業の議決権株式25%以上購入する場合、認許可を要するとし事実上の拒否権を留保しています。

『ローカル・コンテントの要求』

外国企業の投資は現地国の雇用を促し社会の活性化につながりますが、現地国の産業への影響と言う見地から考えれば競争者と言う立ち位置なのか、購買者と言う立場かの違いは大きいでしょう。また、通商摩擦を回避する目的での投資は上述した雇用増大と言う事では現地国に一定の恩恵がありますが、現地企業化と言う角度から考えたとき現地国にとって不満の残る形となるでしょう。
これらの見地から現地国はしばしば進出した外国企業が一定比率以上の現地品または材料の購入を義務付ける事があります。これがローカル・コンテストの要求であり、投資に対する直接的な規制ではありませんが、投資企業の運営を大きく制約し、事実上の規制策となりうるのです。

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