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民事再生法の概要

 

民事再生 

債権の種類 定義 弁済 例示
再生債権 再生手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権 再生手続(債権者集会の決議)に拘束される。ただし少額債権は随時弁済可
一般優先債権 再生手続開始前の原因に基づいて生じた一般先取特権その他の優先権のある債権 随時弁済 公租公課、社会保険料、従業員給与
別除権 再生手続開始前の原因に基づいて生じた担保権によって担保される債権 担保権を実行可

別除権の請戻可(再生債務者と担保権者の合意によりる担保権の解放)

共益債権 再生手続開始後の原因に基づいて生じた債権であって、本来手続開始後に生じた利害関係人の共同利益のための出費にかかる債権であり、手続の共益的費用と、再生の対象である債務者の事業又は経済生活の維持にかかる共益的費用にかかる債権等 随時弁済 裁判費用、仕入れ、事務所賃料・水道光熱費・通信費
開始後債権 再生手続開始後の原因に基づいて生じた債権のうち、共益債権に該当しないもの 再生手続には服しないが、再生手続終了までは、弁済をうけることが一切できない。

 

 

民事再生の検討

どのタイミングで民事再生を検討すべきか

税金や社会保険料を滞納しそうになった時です。

公租公課は遅延利息が極めて高いのに民事再生のカット対象となりません。また、通常の差押等は民事再生を行えば取り消せますが、公租公課の差押は取り消せません。そのため、滞納公租公課がある場合、民事再生の効果は弱くなってしまいます。

次に、賃金給与・退職金を遅配しそうになった時です。これら労働債権も民事再生のカット対象とならないからです。

 

どのような経営状態なら民事再生が効果的か

最低限、営業利益をプラスにできることが必要です。

金利支払がないのに赤字であれば、企業は存続できません。なお、民事再生を行った場合、危機的状況が明らかなことから、取引先の整理やリストラ等を進めやすくなる面もあります。そういった収益改善余地が残っている段階で、民事再生を検討し始めるのか好ましいといえます。

 

取引先は離れないのか

仕入先は意外と取引を継続してもらえます。取引を打ち切るより、取引を継続して、カットされた分を少しでも取り返した方がよいと考えるからです。ただし、支払能力は疑問視されるため、現金仕入れが基本となります。そこで、後で説明する資金繰りが重要となってきます。

顧客はケースバイケースです。大手メーカー商品の販売等の業態では、民事再生を行っても商品の品質や保証内容に違いは出ないため、基本的に問題は生じません。

一方、メンテナンスや製品保証等が必重要な業態、継続的な商品・サービスの提供が重要な業態等では、企業の存続可能性が疑問視されることから、一定のマイナス影響が出てきます。

もっとも、経験上、民事再生後も以前と同様に業務を継続していれば、流れのままに取引を継続してくれる顧客の方が多いように思います。

 

資金繰りは大丈夫なのか

民事再生が始まると、当面は新たな信用を得ること(借入れや掛仕入れ)は困難となります。したがって、直前に、なるべく多くの運転資金を確保することが必要です。そのため、民事再生を検討する場合、3か月程度前から日繰りで資金繰りを把握し、タイミングを計る必要があります。

意外と、これが今までの経営の無駄を見直す良い機会となることがままあります。

 

債権者(金融機関)の賛同は得られるのか

民事再生に債権者の過半数の賛成が得られないと、当該企業は破産することになって、債権者の回収額は大きく減少します。したがって、通常の場合、民事再生に反対する債権者はそう多くありません。もっとも、担保を持っている金融機関が担保物件の取扱いに反対したり、事業譲渡を行う場合の譲渡先のライバル会社が事業譲渡に反対したりすることはありますので、事前の根回しが重要となってきます。

 

 

販売先が民事再生を申し立てた

次の例外を除いて、売掛金は回収いったんストップされます。

 

中小企業債権の弁済許可の申立

裁判所は、中小企業の連鎖倒産を防ぐため、再生計画認可前の弁済を許可できる。

その要件は、

①再生債務者が主要な取引先であること

②本人が中小企業者であること

③連鎖倒産のおそれがあること等

 

別除権(民事再生法52条)

動産先取特権(民法322条):売り渡した動産を競売にかけて、代金と利息を担保するために他の債権者に先だって回収できる。

商事留置権(商法522条):発注者から預かっている原材料や金型などは、留置可能であり、また競売可能。

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