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法務部門と企業倫理

企業倫理について考察するにあたって、倫理とはどのような意味合いの言葉なのか考えてみましょう。
辞書によると、
①社会生活において人として守るべき道。道徳。
②「倫」」は仲間の意味で、仲間同士の人間関係を律するきまり(理)。
とあります。つまり、倫理とは、人間の生活が社会的に円滑に営まれ、その共存を達成するための基本的かつ最小限度の取決め・ルールと言い換える事ができるでしょう。そして、それは人間として・社会人としての常識です。

・倫理と法律の関係
人間関係、社会生活関係において、強制力を持たない「倫理」と、強制力を持つ「法律」の二つが決まり・ルールとして存在しています。社会生活が円滑に営まれ、その2つの共存が達成するためには倫理が中心となるのか法律が中心となるのか、それぞれの歴史の中における各時代の社会構造の相違によっても異なります。

「原始的社会体型」における人間の生活は個人の自浄作用に委ねられ、人間相互、仲間同士で相互の共存のために自然的に人間関係を律していこうとする倫理観を中心に営まれたと言えるでしょう。
ところが、文明が進化するにしたがって、社会構造が複雑化し始め、個人の自浄作用のみを持って人間の社会生活を律することができなくなり、強制力を持って律する方向へと社会体系は変化していきます。つまり、倫理の中から法律にまで高めて、罰則などによる強制力を課してでも守らせるべき規律・規範を設けた「文明社会体型」へと進化していきます。
このような社会体型の中にあっても、社会構造が未だ単純な時代の単純社会では法律上の規制も少なく人間の生活上必要な基本的な取り決めのみで生活が営まれていました。
その一方で、社会構造が複雑化してきた複雑社会にあっては、その時代、時代において政治、行政、経済、社会構造が複雑かつ多様に変化するに応じて、諸々の規制が新設、削除、変更、強化緩和されていきます。

経済団体連合会発行の『経団連企業行動憲章実行の手引き』に記載されている「企業倫理に関する中間報告〔1992年〕」によれば、企業倫理について次のように定義されています。

・企業に求められる倫理観
“そもそも倫理とは、「自らの行いの善し悪しをはっきりさせる」ことである。企業倫理は、企業は「法人」として、経営者は「経営者個人者」として、従業員は各自が「個人」としての自らの行いに節度を保つことである。
企業が法を順守することは、当然であるが、倫理は法律を守りさえすれば良いということではない。「法律を守れば何をしても良い」ということは許されないし、「法によって倫理を規定する」ことも不可能である。要するに、企業が社会の健全な発展を前提に、社会的に良識を持って行動すること、言い換えれば、道徳律を守ること、それ自体が倫理である“

注意したいのは、“道徳律”という言葉は、一般的な道徳、倫理、宗教などにおける道徳律ではないことです。つまり、企業は営利を求めている以上、単なる道徳律のみをもって律しきれない面もあると言う事です。企業活動はリスク、とくにリーガルリスクの中で営まれています。したがって、“リスクに後世に対応する意識・認識をもって行動するために企業を律する取決め”を企業倫理と言えるのではないでしょうか。
そして、このようなリスクに対応する意識・認識は、「法的意識」によって達成されるものだと言えるでしょう。

経済団体連合会発行の『経団連企業行動憲章実行の手引き』に記載されている「企業倫理に関する中間報告〔1992年〕」によれば、企業倫理について次のように定義されています。

・企業に求められる倫理観
“そもそも倫理とは、「自らの行いの善し悪しをはっきりさせる」ことである。企業倫理は、企業は「法人」として、経営者は「経営者個人者」として、従業員は各自が「個人」としての自らの行いに節度を保つことである。
企業が法を順守することは、当然であるが、倫理は法律を守りさえすれば良いということではない。「法律を守れば何をしても良い」ということは許されないし、「法によって倫理を規定する」ことも不可能である。要するに、企業が社会の健全な発展を前提に、社会的に良識を持って行動すること、言い換えれば、道徳律を守ること、それ自体が倫理である“

注意したいのは、“道徳律”という言葉は、一般的な道徳、倫理、宗教などにおける道徳律ではないことです。つまり、企業は営利を求めている以上、単なる道徳律のみをもって律しきれない面もあると言う事です。企業活動はリスク、とくにリーガルリスクの中で営まれています。したがって、“リスクに後世に対応する意識・認識をもって行動するために企業を律する取決め”を企業倫理と言えるのではないでしょうか。
そして、このようなリスクに対応する意識・認識は、「法的意識」によって達成されるものだと言えるでしょう。

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