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通商問題の基礎 原産地規制への対応

近年、WTOの場でも原産地規制に関する議論が活発化しています。この背景には貿易上の特恵関税の取得やアンチ・ダンピング調査を回避するための迂回輸出の問題と絡み合っています。また、最近の自由貿易地域の拡大は、地域内での地域外製品の取り扱いを原産地規制に基づき対処することになります。原産地規制は原産地を決める基準を定めた法制を意味していますが、通常、輸入国の原産地規制によって原産地が決定されています。しかし、例えば米国やEUが輸入国である場合、一元的なルールで原産地が決定されるわけではありません。
具体的には、アンチ・ダンピング調査のためであるのか、関税の適用のため出るのかと言う目的ごとに異なっています。また、一つの製品が製造・加工の過程でいくつかの国を経由している場合、どの輸入国のルールを適用するのかと言う点も問題になります。

要は、アンチ・ダンピング調査についての原産地規制、関税賦課手続きでの原産地規制、貿易上の優遇処置である特恵関税の付与に関する原産地規制などの目的ごとの検討が必要となります。しかし原産地規制の根幹は、工業製品などの第二次製品について実質的偏向基準と言われる考え方で原産地が決定されています。
この考え方の要旨は、対象製品について“最終の実質的偏向”が行われた国を原産地とするものです。

実質的変更をもたらす基準として、下記の3点があげられます。
① 関税(分類)番号が変更される場合に実質的変更があったとするもの
② 原産地を与える一定の工程を特定し、この工程が行われた国を原産地とするというもの
③ 製造・加工の結果加わった価値(付加価値)が一定の比率に達している場合、それが達成された国を原産地とするもの

問題は目的別に、あるいは地域別に度の基準が採用されているのか、組み合わされて使用されているのかと言う事を検討しなくてはなりません。企業法務の業務としてきわめて複雑な分野であると言えるでしょう。

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