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PL(製造物責任)の基礎

PLは、通常、製品自体の損害の身に関する訴訟およびクレームの事ではなく、製品の欠陥により生じる人または(製品以外の)物に対する損害の賠償責任と言えます。米国では、厳格責任法理論がPLで取り入れられて以降、PLクレーム事件が多発し始めました。ただ、このような法律的側面だけではなく、原告が消費者、被告が企業(特に大量消費品を製造・販売する大企業)と言う構図の中で発展してきたと言う社会的な側面も無視することはできません。いわゆる消費者運動にも支えられてきた一面もあります。このことは、米国の訴訟制度の特徴得ある陪審員制度のもとで“立場の弱い個人としての消費者”と“大量製品の製造・販売を生業とする強い大企業”と言うイメージを背景とした判決が相次いだことにも表れています。米国の企業はもちろん、米国に製品を輸出する外国企業にとってもPL対策は最大の法務活動になってきたと言えるでしょう。

英国PL法は、欠陥を類型別に規定しており、大まかに三つの分野に分けて考えています。
① 製造上の欠陥は、当初に意図していた設計からの逸脱したことから生じる製品の欠陥
② 設計上の欠陥は、予見可能なリスクを合理的な代替設計により軽減・回避することがかのうであったにもかかわらず、代替設計を採用しなかったことによる合理的安全性を欠いている欠陥
③ 警告・指示上の欠陥は、予見可能なリスクを合理的な支持・渓谷によって軽減または回避できたにもかかわらず、そのような支持・渓谷を怠り、そのことにより合理的安全性を欠くに至った欠陥

問題はこのような欠陥に対し、どういう対策を講じる必要があるのかと言うポイントです。以下で簡単に説明をしてみましょう。
・製造上の欠陥
ほとんどの場合、製造工程において設計仕様や製造・作業指示書と違った製品が製造されたケースであり、欠陥の影響は限定的なものと言えます。
・設計上の欠陥
原則として、同一設計に基づいて製造された製品全体に欠陥があると言うことになります。したがって、欠陥が重大な結果につながっていく場合、リコルなどの抜本的な対策を速やかに取る事が必要となります。
・警告・指示上の欠陥
製品自体に欠陥は存在しませんが、製品の仕様に関する警告・指示が適切でないことによる欠陥もPL法上の欠陥となります。ただ、どの程度の警告・指示を行えば十分なのか判例上争われる問題となるでしょう。

仮に企業が製造した製品に欠陥があるにせよ、それだけで製造業者などにPL上の責任が乗じるものではありません。
① 製品の欠陥または製品の警告・指示上の欠陥と発生した損害との間に因果関係が必要です。これらの関係が、法益に相当性があると判断される場合には、因果関係が存在しているものと考えられます。
② 一定事由に対し免責規定が設けられています。たとえば、“開発危険の抗弁(製品が市場に出された時点での科学・技術の水準では欠陥の存在を製造者が認識することが困難であったことを製造者側が立証した場合、PL責任を負わなくてもよいとする)”の考え方が挙げられます。また、ナイフの刃のように“明白な危険(使用の仕方により危険が発生する事が明確に予見できる状況)”が実在する場合は、製造者はおれらの危険について改めて警告を行う必要はありません。
③ 被害者側の過失により、または危険がある鵜事を認識したうえで引き受けたような場合(“危険の引き受け”)、損害が発生したとしても被害者に損害賠償が認められない事が多い(ただし、被害者の過失の程度または被害者の危険の認識の過程を十分に検討する必要がある)。

PL責任は、完成品として市場で販売した場合、第一義的には完成品の製造者が追うことになるのですが、部品・製造などの供給者も自らが供給した部分につき、原則上PL責任を負うことになります。
ただし、いくつかの例外があります。たとえば、部品・材料の供給が納入先である完成品業者による仕様上の要求であったり、納入先(完成品業者)が提供する図面上の支持による供給の場合、当該部品・材料業者は免責されます。ただし、部品・材料業者が欠陥の存在を知っているにもかかわらず供給した場合は、これらの業者の責任は免れません。

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